1.6. Pod への機密性の高いデータの提供
アプリケーションによっては、パスワードやユーザー名など開発者に使用させない秘密情報が必要になります。
管理者として シークレット
オブジェクトを使用すると、この情報を平文で公開することなく提供することが可能です。
1.6.1. シークレットについて
Secret
オブジェクトタイプはパスワード、OpenShift Container Platform クライアント設定ファイル、プライベートソースリポジトリーの認証情報などの機密情報を保持するメカニズムを提供します。シークレットは機密内容を Pod から切り離します。シークレットはボリュームプラグインを使用してコンテナーにマウントすることも、システムが Pod の代わりにシークレットを使用して各種アクションを実行することもできます。
キーのプロパティーには以下が含まれます。
- シークレットデータはその定義とは別に参照できます。
- シークレットデータのボリュームは一時ファイルストレージ機能 (tmpfs) でサポートされ、ノードで保存されることはありません。
- シークレットデータは namespace 内で共有できます。
YAML Secret
オブジェクト定義
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: test-secret namespace: my-namespace type: Opaque 1 data: 2 username: dmFsdWUtMQ0K 3 password: dmFsdWUtMg0KDQo= stringData: 4 hostname: myapp.mydomain.com 5
シークレットに依存する Pod を作成する前に、シークレットを作成する必要があります。
シークレットの作成時に以下を実行します。
- シークレットデータでシークレットオブジェクトを作成します。
- Pod のサービスアカウントをシークレットの参照を許可するように更新します。
-
シークレットを環境変数またはファイルとして使用する Pod を作成します (
secret
ボリュームを使用)。
1.6.1.1. シークレットの種類
type
フィールドの値で、シークレットのキー名と値の構造を指定します。このタイプを使用して、シークレットオブジェクトにユーザー名とキーの配置を実行できます。検証の必要がない場合には、デフォルト設定の opaque
タイプを使用してください。
以下のタイプから 1 つ指定して、サーバー側で最小限の検証をトリガーし、シークレットデータに固有のキー名が存在することを確認します。
-
kubernetes.io/service-account-token
。サービスアカウントトークンを使用します。 -
kubernetes.io/basic-auth
。Basic 認証で使用します。 -
kubernetes.io/ssh-auth
.SSH キー認証で使用します。 -
kubernetes.io/tls
。TLS 認証局で使用します。
検証が必要ない場合には type: Opaque
と指定します。これは、シークレットがキー名または値の規則に準拠しないという意味です。opaque シークレットでは、任意の値を含む、体系化されていない key:value
ペアも利用できます。
example.com/my-secret-type
などの他の任意のタイプを指定できます。これらのタイプはサーバー側では実行されませんが、シークレットの作成者がその種類のキー/値の要件に従う意図があることを示します。
シークレットのさまざまなタイプの例については、シークレットの使用 に関連するコードのサンプルを参照してください。
1.6.1.2. シークレット設定の例
以下は、シークレットの設定ファイルのサンプルです。
4 つのファイルを作成する YAML Secret
オブジェクト
apiVersion: v1 kind: Secret metadata: name: test-secret data: username: dmFsdWUtMQ0K 1 password: dmFsdWUtMQ0KDQo= 2 stringData: hostname: myapp.mydomain.com 3 secret.properties: |- 4 property1=valueA property2=valueB
シークレットデータと共にボリュームのファイルが設定された Pod の YAML
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: secret-example-pod spec: containers: - name: secret-test-container image: busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "cat /etc/secret-volume/*" ] volumeMounts: # name must match the volume name below - name: secret-volume mountPath: /etc/secret-volume readOnly: true volumes: - name: secret-volume secret: secretName: test-secret restartPolicy: Never
シークレットデータと共に環境変数が設定された Pod の YAML
apiVersion: v1 kind: Pod metadata: name: secret-example-pod spec: containers: - name: secret-test-container image: busybox command: [ "/bin/sh", "-c", "export" ] env: - name: TEST_SECRET_USERNAME_ENV_VAR valueFrom: secretKeyRef: name: test-secret key: username restartPolicy: Never
シークレットデータと環境変数が設定されたビルド設定の YAML
apiVersion: v1 kind: BuildConfig metadata: name: secret-example-bc spec: strategy: sourceStrategy: env: - name: TEST_SECRET_USERNAME_ENV_VAR valueFrom: secretKeyRef: name: test-secret key: username
1.6.1.3. シークレットデータキー
シークレットキーは DNS サブドメインになければなりません。