2.2. デフォルトスケジューラーの設定による Pod 配置の制御


OpenShift Container Platform のデフォルトの Pod スケジューラーは、クラスター内のノードにおける新規 Pod の配置場所を判別します。スケジューラーは Pod からのデータを読み取り、設定されるポリシーに基づいて適切なノードを見つけようとします。これは完全に独立した機能であり、スタンドアロン/プラグ可能ソリューションです。Pod を変更することはなく、Pod を特定ノードに関連付ける Pod のバインディングのみを作成します。

述語と優先順位を選択することで、スケジューラーのポリシーを定義できます。述語と優先順位の一覧は、スケジューラーポリシーの変更 を参照してください。

デフォルトスケジューラーオブジェクトのサンプル

apiVersion: config.openshift.io/v1
kind: Scheduler
metadata:
  annotations:
    release.openshift.io/create-only: "true"
  creationTimestamp: 2019-05-20T15:39:01Z
  generation: 1
  name: cluster
  resourceVersion: "1491"
  selfLink: /apis/config.openshift.io/v1/schedulers/cluster
  uid: 6435dd99-7b15-11e9-bd48-0aec821b8e34
spec:
  policy: 1
    name: scheduler-policy
  defaultNodeSelector: type=user-node,region=east 2

1
カスタムスケジューラーポリシーファイルの名前を指定できます。
2
オプション: Pod の配置を特定のノードに制限するためにデフォルトノードセレクターを指定します。デフォルトのノードセレクターはすべての namespace で作成された Pod に適用されます。Pod は、デフォルトのノードセレクターおよび既存の Pod のノードセレクターに一致するラベルのあるノードにスケジュールできます。このフィールドが設定されている場合でも、プロジェクトスコープのノードセレクターを持つ namespace は影響を受けません。

2.2.1. デフォルトスケジューリングについて

既存の汎用スケジューラーはプラットフォームで提供されるデフォルトのスケジューラー エンジン であり、Pod をホストするノードを 3 つの手順で選択します。

ノードのフィルター
利用可能なノードは、指定される制約や要件に基づいてフィルターされます。フィルターは、各ノードで 述語 というフィルター関数の一覧を使用して実行されます。
フィルターされたノード一覧の優先順位付け
優先順位付けは、各ノードに一連の優先度関数を実行することによって行われます。この関数は 0 -10 までのスコアをノードに割り当て、0 は不適切であることを示し、10 は Pod のホストに適していることを示します。スケジューラー設定は、それぞれの優先度関数について単純な 重み (正の数値) を取ることができます。各優先度関数で指定されるノードのスコアは重み (ほとんどの優先度のデフォルトの重みは 1) で乗算され、すべての優先度で指定されるそれぞれのノードのスコアを追加して組み合わされます。この重み属性は、一部の優先度により重きを置くようにするなどの目的で管理者によって使用されます。
最適ノードの選択
ノードの並び替えはそれらのスコアに基づいて行われ、最高のスコアを持つノードが Pod をホストするように選択されます。複数のノードに同じ高スコアが付けられている場合、それらのいずれかがランダムに選択されます。

2.2.1.1. スケジューラーポリシーについて

述語と優先順位を選択することで、スケジューラーのポリシーを定義します。

スケジューラー設定ファイルは JSON ファイルであり、policy.cfg という名前にする必要があります。これは、スケジューラーが反映する述語と優先順位を指定します。

スケジューラーポリシーがない場合、デフォルトのスケジューラーの動作が使用されます。

重要

スケジューラー設定ファイルで定義される述語および優先度は、デフォルトのスケジューラーポリシーを完全に上書きします。デフォルトの述語および優先順位のいずれかが必要な場合、ポリシーの設定でその関数を明示的に指定する必要があります。

スケジューラー設定マップの例

apiVersion: v1
data:
  policy.cfg: |
    {
        "kind" : "Policy",
        "apiVersion" : "v1",
        "predicates" : [
                {"name" : "MaxGCEPDVolumeCount"},
                {"name" : "GeneralPredicates"}, 1
                {"name" : "MaxAzureDiskVolumeCount"},
                {"name" : "MaxCSIVolumeCountPred"},
                {"name" : "CheckVolumeBinding"},
                {"name" : "MaxEBSVolumeCount"},
                {"name" : "MatchInterPodAffinity"},
                {"name" : "CheckNodeUnschedulable"},
                {"name" : "NoDiskConflict"},
                {"name" : "NoVolumeZoneConflict"},
                {"name" : "PodToleratesNodeTaints"}
                ],
        "priorities" : [
                {"name" : "LeastRequestedPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "BalancedResourceAllocation", "weight" : 1},
                {"name" : "ServiceSpreadingPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "NodePreferAvoidPodsPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "NodeAffinityPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "TaintTolerationPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "ImageLocalityPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "SelectorSpreadPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "InterPodAffinityPriority", "weight" : 1},
                {"name" : "EqualPriority", "weight" : 1}
                ]
    }
kind: ConfigMap
metadata:
  creationTimestamp: "2019-09-17T08:42:33Z"
  name: scheduler-policy
  namespace: openshift-config
  resourceVersion: "59500"
  selfLink: /api/v1/namespaces/openshift-config/configmaps/scheduler-policy
  uid: 17ee8865-d927-11e9-b213-02d1e1709840`

1
GeneralPredicates 述語は PodFitsResourcesHostNamePodFitsHostPorts、および MatchNodeSelector 述語を表します。同じ述語を複数回設定することは許可されていないため、GeneralPredicates 述語を、表現される 4 つの述語と共に使用することはできません。
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