1.6. Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.2 のリリースノート
Red Hat OpenShift distributed tracing platform のこのリリースには、Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) と非推奨の Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) が含まれています。
1.6.1. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo)
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) は、Tempo Operator を通じて提供されます。
1.6.1.1. テクノロジープレビュー機能
この更新では、次のテクノロジープレビュー機能が導入されています。
- Tempo モノリシックデプロイメントのサポート。
Tempo モノリシックデプロイメントは、テクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。
Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。
1.6.1.2. 新機能および機能拡張
この更新では、次の機能拡張が導入されています。
- Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) 3.2 は、オープンソースの Grafana Tempo 2.4.1 をベースにしています。
- コンポーネントごとのリソースのオーバーライドが可能です。
1.6.1.3. バグ修正
この更新では、次のバグ修正が導入されています。
-
この更新前は、Jaeger UI に表示されるサービスが、過去 15 分間にトレースを送信したサービスだけでした。この更新により、利用できるサービス名と操作名を、
spec.template.queryFrontend.jaegerQuery.servicesQueryDuration
フィールドを使用して設定できるようになりました。(TRACING-3139) -
この更新前は、大規模なトレースを検索した結果、メモリー不足 (OOM) になったときに、
query-frontend
Pod が停止する可能性がありました。この更新により、この問題を防ぐためにリソース制限を設定できるようになりました。(TRACING-4009)
1.6.1.4. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
-
現在、IBM Z (
s390x
) アーキテクチャーでは、distributed tracing platform (Tempo) が失敗します。(TRACING-3545)
1.6.2. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger)
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) は、Red Hat OpenShift distributed tracing platform Operator を通じて提供されます。
Jaeger は、FIPS 検証済みの暗号化モジュールを使用しません。
1.6.2.1. OpenShift Elasticsearch Operator のサポート
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.2 は、OpenShift Elasticsearch Operator 5.6、5.7、および 5.8 での使用がサポートされています。
1.6.2.2. 非推奨の機能
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.2 では、引き続き Jaeger と Elasticsearch のサポートが非推奨となります。どちらも今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現行リリースのライフサイクル中、これらのコンポーネントのサポートと、重大度が重大以上の CVE およびバグに対する修正は提供しますが、これらのコンポーネントの機能拡張は提供しません。Tempo Operator と Red Hat build of OpenTelemetry が、分散トレーシングの収集と保存に推奨される Operator です。OpenTelemetry および Tempo 分散トレーシングスタックは、今後強化されるスタックであるため、ユーザーはこのスタックを採用する必要があります。
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.2 では、Jaeger エージェントが非推奨となりました。Jaeger エージェントは次のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現行リリースのライフサイクル中、Jaeger エージェントのバグ修正とサポートは提供しますが、機能拡張は提供せず、Jaeger エージェントを削除する予定です。Red Hat build of OpenTelemetry によって提供される OpenTelemetry Collector が、トレースコレクターエージェントの注入に推奨される Operator です。
1.6.2.3. 新機能および機能拡張
この更新では、distributed tracing platform (Jaeger) に次の機能拡張が導入されました。
- Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) 3.2 は、オープンソースの Jaeger リリース 1.57.0 をベースにしています。
1.6.2.4. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
- 現在、Apache Spark はサポートされていません。
- 現在、AMQ/Kafka を介したストリーミングデプロイメントは、IBM Z および IBM Power アーキテクチャーではサポートされていません。