1.9. Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.0 のリリースノート
1.9.1. Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.0 のコンポーネントバージョン
Operator | コンポーネント | バージョン |
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) | Jaeger | 1.51.0 |
Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo) | Tempo | 2.3.0 |
1.9.2. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger)
1.9.2.1. 非推奨の機能
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.0 では、Jaeger と Elasticsearch のサポートが非推奨となりました。どちらも今後のリリースで削除される予定です。Red Hat は、現行リリースのライフサイクルにおいて、該当コンポーネントの「重大」以上の CVE に対するバグ修正とサポートを提供しますが、機能拡張は提供しません。
Red Hat OpenShift distributed tracing platform 3.0 では、Tempo Operator によって提供される Tempo と、Red Hat build of OpenTelemetry によって提供される OpenTelemetry Collector が、分散トレーシングの収集および保存に推奨される Operator です。OpenTelemetry および Tempo 分散トレーシングスタックは、今後の強化対象スタックとなっているため、すべてのユーザーが採用する必要があります。
1.9.2.2. 新機能および機能拡張
この更新では、distributed tracing platform (Jaeger) に次の機能拡張が導入されました。
- ARM アーキテクチャーのサポート。
- クラスター全体のプロキシー環境のサポート
1.9.2.3. バグ修正
この更新では、distributed tracing platform (Jaeger) の次のバグ修正が導入されています。
-
この更新より前は、Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Jaeger) Operator が
relationshipImages
以外のイメージを使用していました。そのため、非接続ネットワーク環境でjaeger
Pod を起動するときに ImagePullBackOff エラーが発生していました。これは、oc adm catalog mirror
コマンドがrelationshipImages
で指定されたイメージをミラーリングするためです。この更新により、oc adm catalog mirror
CLI コマンドを使用する場合に非接続環境がサポートされるようになりました。(TRACING-3546)
1.9.2.4. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
- 現在、Apache Spark はサポートされていません。
- 現在、AMQ/Kafka を介したストリーミングデプロイメントは、IBM Z および IBM Power アーキテクチャーではサポートされていません。
1.9.3. Red Hat OpenShift distributed tracing platform (Tempo)
1.9.3.1. 新機能および機能拡張
この更新では、distributed tracing platform (Tempo) に次の機能拡張が導入されました。
- ARM アーキテクチャーのサポート。
- スパン要求数、期間、およびエラー数 (RED) メトリクスのサポート。メトリクスは、Tempo の一部としてデプロイされた Jaeger コンソール、または Web コンソールの Observe メニューで表示できます。
1.9.3.2. バグ修正
この更新では、distributed tracing platform (Tempo) の次のバグ修正が導入されています。
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この更新より前は、CA 証明書を選択するオプションがあるにもかかわらず、
TempoStack
CRD がカスタム CA 証明書を受け入れませんでした。この更新により、オブジェクトストレージに接続するためのカスタム TLS CA オプションのサポートが修正されました。(TRACING-3462) -
この更新より前は、非接続クラスターで使用するために Red Hat OpenShift distributed tracing platform の Operator イメージをミラーレジストリーにミラーリングする場合、
tempo
、tempo-gateway
、opa-openshift
、およびtempo-query
に関連する Operator イメージがミラーリングされませんでした。この更新により、oc adm catalog mirror
CLI コマンドを使用する場合の非接続環境のサポートが修正されました。(TRACING-3523) - この更新より前は、ゲートウェイがデプロイされていない場合、Red Hat OpenShift distributed tracing platform のクエリーフロントエンドサービスが内部 mTLS を使用していました。これにより、エンドポイント障害エラーが発生していました。この更新により、ゲートウェイがデプロイされていない場合の mTLS が修正されました。(TRACING-3510)
1.9.3.3. 既知の問題
現在、次のような既知の問題があります。
- 現在、Tempo Operator と併用すると、Jaeger UI には過去 15 分間にトレースを送信したサービスのみが表示されます。過去 15 分間にトレースを送信していないサービスの場合、トレースは保存されますが、Jaeger UI には表示されません。(TRACING-3139)
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現在、IBM Z (
s390x
) アーキテクチャーでは、distributed tracing platform (Tempo) が失敗します。(TRACING-3545)