13.15. AWS でのブートストラップノードの作成
OpenShift Container Platform クラスターの初期化で使用するブートストラップノードを Amazon Web Services (AWS) で作成する必要があります。これは、以下の方法で行います。
-
bootstrap.ign
Ignition 設定ファイルをクラスターに送るための場所を指定。このファイルはインストールディレクトリーに置かれます。提供される CloudFormation テンプレートでは、クラスターの Ignition 設定ファイルは S3 バケットから送られることを前提としています。このファイルを別の場所から送ることを選択する場合は、テンプレートを変更する必要があります。 - 提供される CloudFormation テンプレートおよびカスタムパラメーターファイルを使用して、AWS リソースのスタックを作成できます。スタックは、OpenShift Container Platform インストールに必要なブートストラップノードを表します。
提供される CloudFormation テンプレートを使用してブートストラップノードを作成しない場合、提供される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。
前提条件
- AWS アカウントを設定している。
-
aws configure
を実行して、AWS キーおよびリージョンをローカルの AWS プロファイルに追加している。 - クラスターの Ignition 設定ファイルを生成している。
- AWS で VPC および関連するサブネットを作成し、設定している。
- AWS で DNS、ロードバランサー、およびリスナーを作成し、設定している。
- AWS でクラスターに必要なセキュリティーグループおよびロールを作成している。
手順
以下のコマンドを実行してバケットを作成します。
aws s3 mb s3://<cluster-name>-infra
$ aws s3 mb s3://<cluster-name>-infra
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<cluster-name>-infra
はバケット名です。install-config.yaml
ファイルを作成する際に、<cluster-name>
をクラスターに指定された名前に置き換えます。
以下の場合は、
s3://
スキーマではなく、S3 バケットに事前に署名された URL を使用する必要があります。- AWS SDK とは異なるエンドポイントを持つリージョンへのデプロイ。
- プロキシーをデプロイする。
- カスタムエンドポイントを指定します。
以下のコマンドを実行して
bootstrap.ign
Ignition 設定ファイルをバケットにアップロードします。aws s3 cp <installation_directory>/bootstrap.ign s3://<cluster-name>-infra/bootstrap.ign
$ aws s3 cp <installation_directory>/bootstrap.ign s3://<cluster-name>-infra/bootstrap.ign
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<installation_directory>
には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
以下のコマンドを実行して、ファイルがアップロードされていることを確認します。
aws s3 ls s3://<cluster-name>-infra/
$ aws s3 ls s3://<cluster-name>-infra/
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
2019-04-03 16:15:16 314878 bootstrap.ign
2019-04-03 16:15:16 314878 bootstrap.ign
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ブートストラップ Ignition 設定ファイルには、X.509 キーのようなシークレットが含まれません。以下の手順では、S3 バケットの基本的なセキュリティーを提供します。追加のセキュリティーを提供するには、OpenShift IAM ユーザーなどの特定のユーザーのみがバケットに含まれるオブジェクトにアクセスできるように S3 バケットポリシーを有効にできます。S3 を完全に回避し、ブートストラップマシンが到達できるアドレスからブートストラップ Ignition 設定ファイルを送ることができます。
テンプレートが必要とするパラメーター値が含まれる JSON ファイルを作成します。
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- クラスターの Ignition 設定ファイルでエンコードされるクラスターインフラストラクチャーの名前。
- 2
- 形式が
<cluster-name>-<random-string>
の Ignition 設定ファイルから抽出したインフラストラクチャー名を指定します。 - 3
- 選択したアーキテクチャーに基づいてブートストラップノードに使用する最新の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) AMI。
- 4
- 有効な
AWS::EC2::Image::Id
値を指定します。 - 5
- ブートストラップノードへの SSH アクセスを許可する CIDR ブロック。
- 6
x.x.x.x/16-24
形式で CIDR ブロックを指定します。- 7
- ブートストラップを起動するために VPC に関連付けられるパブリックサブネット。
- 8
- VPC の CloudFormation テンプレートの出力から
PublicSubnetIds
値を指定します。 - 9
- マスターセキュリティーグループ ID (一時ルールの登録用)。
- 10
- セキュリティーグループおよびロールの CloudFormation テンプレートから
MasterSecurityGroupId
値を指定します。 - 11
- 作成されたリソースが属する VPC。
- 12
- VPC の CloudFormation テンプレートの出力から
VpcId
値を指定します。 - 13
- ブートストラップの Ignition 設定ファイルをフェッチする場所。
- 14
s3://<bucket_name>/bootstrap.ign
の形式で S3 バケットおよびファイル名を指定します。- 15
- ネットワークロードバランサー (NLB) を登録するかどうか。
- 16
yes
またはno
を指定します。yes
を指定する場合、Lambda Amazon Resource Name (ARN) の値を指定する必要があります。- 17
- NLB IP ターゲット登録 lambda グループの ARN。
- 18
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
RegisterNlbIpTargetsLambda
値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-gov
を使用します。 - 19
- 外部 API ロードバランサーのターゲットグループの ARN。
- 20
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
ExternalApiTargetGroupArn
値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-gov
を使用します。 - 21
- 内部 API ロードバランサーのターゲットグループの ARN。
- 22
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
InternalApiTargetGroupArn
値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-gov
を使用します。 - 23
- 内部サービスバランサーのターゲットグループの ARN。
- 24
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
InternalServiceTargetGroupArn
値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-gov
を使用します。
- このトピックの ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート セクションからテンプレートをコピーし、これをコンピューター上に YAML ファイルとして保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なブートストラップマシンを記述しています。
-
オプション: プロキシーを使用してクラスターをデプロイする場合は、テンプレートの ignition を更新して
ignition.config.proxy
フィールドを追加する必要があります。さらに、Amazon EC2、Elastic Load Balancing、および S3 VPC エンドポイントを VPC に追加している場合は、これらのエンドポイントをnoProxy
フィールドに追加する必要があります。 CloudFormation テンプレートを起動し、ブートストラップノードを表す AWS リソースのスタックを作成します。
重要単一行にコマンドを入力してください。
aws cloudformation create-stack --stack-name <name>
$ aws cloudformation create-stack --stack-name <name>
1 --template-body file://<template>.yaml
2 --parameters file://<parameters>.json
3 --capabilities CAPABILITY_NAMED_IAM
4 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<name>
はcluster-bootstrap
などの CloudFormation スタックの名前です。クラスターを削除する場合に、このスタックの名前が必要になります。- 2
<template>
は、保存した CloudFormation テンプレート YAML ファイルへの相対パスまたはその名前です。- 3
<parameters>
は、CloudFormation パラメーター JSON ファイルへの相対パスまたは名前です。- 4
- 提供されるテンプレートは一部の
AWS::IAM::Role
およびAWS::IAM::InstanceProfile
リソースを作成するため、CAPABILITY_NAMED_IAM
機能を明示的に宣言する必要があります。
出力例
arn:aws:cloudformation:us-east-1:269333783861:stack/cluster-bootstrap/12944486-2add-11eb-9dee-12dace8e3a83
arn:aws:cloudformation:us-east-1:269333783861:stack/cluster-bootstrap/12944486-2add-11eb-9dee-12dace8e3a83
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow テンプレートのコンポーネントが存在することを確認します。
aws cloudformation describe-stacks --stack-name <name>
$ aws cloudformation describe-stacks --stack-name <name>
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow StackStatus
がCREATE_COMPLETE
を表示した後に、出力には以下のパラメーターの値が表示されます。これらのパラメーターの値をクラスターを作成するために実行する他の CloudFormation テンプレートに指定する必要があります。BootstrapInstanceId
ブートストラップインスタンス ID。
BootstrapPublicIp
ブートストラップノードのパブリック IP アドレス。
BootstrapPrivateIp
ブートストラップノードのプライベート IP アドレス。
13.15.1. ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の CloudFormation テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要なブートストラップマシンをデプロイできます。
例13.19 ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート