第3章 カスタマイズによる VMC へのクラスターのインストール
OpenShift Container Platform バージョン 4.13 では、クラスターを VMware Cloud (VMC) on AWS にデプロイすることで、インストーラーでプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用して、VMware vSphere インスタンスにクラスターをインストールできます。
OpenShift Container Platform デプロイメント用に VMC 環境を設定した後に、VMC 環境に併設された bastion 管理ホストの OpenShift Container Platform インストールプログラムを使用します。インストールプログラムおよびコントロールプレーンは、OpenShift Container Platform クラスターに必要なリソースのデプロイおよび管理プロセスを自動化します。
OpenShift Container Platform インストールをカスタマイズするには、クラスターをインストールする前に、install-config.yaml
ファイルでパラメーターを変更します。
OpenShift Container Platform は、単一の VMware vCenter へのクラスターのデプロイのみをサポートします。複数の vCenter にマシン/マシンセットを含むクラスターをデプロイすることはサポートされていません。
3.1. vSphere 用の VMC の設定
OpenShift Container Platform を VMware Cloud (VMC) on AWS でホストされた vSphere クラスターにインストールし、アプリケーションをオンプレミスおよびオンプレミスの両方でハイブリッドクラウド全体にデプロイし、管理することができます。
OpenShift Container Platform を VMware vSphere にインストールする前に、複数のオプションを VMC 環境で設定する必要があります。VMC 環境が以下の前提条件を満たしていることを確認します。
- 排他的ではない、 DHCP 対応の NSX-T ネットワークセグメントおよびサブネットを作成します。他の仮想マシン (VM) をサブネットでホストできますが、OpenShift Container Platform デプロイメントには 8 つ以上の IP アドレスが利用可能でなければなりません。
DHCP 範囲外にある 2 つの IP アドレスを割り当て、それらを逆引き DNS レコードで設定します。
-
割り当てられた IP アドレスをポイントする
api.<cluster_name>.<base_domain>
の DNS レコード。 -
割り当てられた IP アドレスをポイントする
*.apps.<cluster_name>.<base_domain>
の DNS レコード。
-
割り当てられた IP アドレスをポイントする
以下のファイアウォールルールを設定します。
- OpenShift Container Platform コンピュートネットワークとインターネット間の ANY:ANY ファイアウォールルール。これは、コンテナーイメージをダウンロードするためにノードおよびアプリケーションによって使用されます。
- ポート 443 上のインストールホストと、ソフトウェア定義データセンター (SDDC) 管理ネットワーク間の ANY:ANY ファイアウォールルール。これにより、デプロイメント時に Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) OVA をアップロードできます。
- OpenShift Container Platform コンピュートネットワークと vCenter 間の HTTPS ファイアウォールルール。この接続により、OpenShift Container Platform はノード、永続ボリューム要求 (PVC) および他のリソースをプロビジョニングし、管理するために vCenter と通信できます。
OpenShift Container Platform をデプロイするには、以下の情報が必要です。
-
OpenShift Container Platform クラスターの名前 (
vmc-prod-1
など)。 -
ベース DNS 名 (
companyname.com
など)。 -
デフォルトを使用しない場合、Pod ネットワーク CIDR およびサービスネットワーク CIDR を特定する必要があります。これはデフォルトで
10.128.0.0/14
および172.30.0.0/16
にそれぞれ設定されます。これらの CIDR は Pod 間および Pod とサービス間の通信に使用され、外部からアクセスすることはできません。ただし、それらは組織内の既存のサブネットと重複することができません。 以下の vCenter 情報:
- vCenter ホスト名、ユーザー名、およびパスワード
-
データセンター名 (
SDDC-Datacenter
など) -
クラスター名 (
Cluster-1
など) - ネットワーク名
データストア名 (
WorkloadDatastore
など)注記クラスターのインストールの完了後に、vSphere クラスターを VMC
Compute-ResourcePool
リソースプールに移動することが推奨されます。
-
OpenShift Container Platform クラスターの名前 (
bastion として VMC にデプロイされる Linux ベースのホスト。
- bastion ホストには Red Hat Enterprise Linux (RHEL) または他の Linux ベースのホストを使用できます。インターネット接続と OVA を ESXi ホストにアップロードする機能が必要です。
OpenShift CLI ツールをダウンロードし、 bastion ホストにインストールします。
-
openshift-install
インストールプログラム -
OpenShift CLI (
oc
) ツール
-
VMware NSX Container Plugin for Kubernetes (NCP) は使用できないため、NSX は OpenShift SDN として使用されません。VMC で現在利用できる NSX のバージョンは、OpenShift Container Platform で認定されている NCP のバージョンとは互換性がありません。
ただし、NSX DHCP サービスは、フルスタックの自動化 OpenShift Container Platform デプロイメントおよびマシン API の vSphere への統合によって手動または自動でプロビジョニングされたノードと共に仮想マシンの IP 管理に使用されます。さらに、NSX ファイアウォールルールは、OpenShift Container Platform クラスターの a アクセス、および bastion ホストと VMC vSphere ホスト間のアクセスを有効にするために作成されます。
3.1.1. VMC Sizer ツール
VMware Cloud on AWS は AWS ベアメタルインフラストラクチャー上に構築されます。これは、AWS ネイティブサービスを実行するベアメタルインフラストラクチャーと同じです。VMware cloud on AWSS のソフトウェア定義データセンター (SDDC) がデプロイされると、これらの物理サーバーノードを使用し、単一のテナント方式で VMware ESXi ハイパーバイザーを実行します。つまり、物理インフラストラクチャーは、 VMC を使用して他のユーザーがアクセスすることはできません。仮想インフラストラクチャーをホストするために必要な物理ホストの数を考慮することが重要です。
これを判別できるように、VMware は VMC on AWS Sizer を提供しています。このツールを使用して、VMC でホストするリソースを定義できます。
- ワークロードのタイプ
- 仮想マシンの合計数
仕様情報 (以下を含む)。
- ストレージ要件
- vCPU
- vRAM
- オーバーコミットの比率
これらの詳細情報により、Sizer ツールは VMware のベストプラクティスに基づいてレポートを生成し、クラスター設定および必要なホスト数について推奨します。