10.8. インストール設定ファイルの手動作成
クラスターをインストールするには、インストール設定ファイルを手動で作成する必要があります。
前提条件
- ローカルマシンには、インストールプログラムに提供する SSH 公開鍵があります。このキーは、デバッグおよび障害復旧のためにクラスターノードへの SSH 認証に使用されます。
- OpenShift Container Platform インストールプログラムおよびクラスターのプルシークレットを取得しています。
手順
必要なインストールアセットを保存するためのインストールディレクトリーを作成します。
$ mkdir <installation_directory>
重要ディレクトリーを作成する必要があります。ブートストラップ X.509 証明書などの一部のインストールアセットの有効期限は短く設定されているため、インストールディレクトリーを再利用することができません。別のクラスターインストールの個別のファイルを再利用する必要がある場合は、それらをディレクトリーにコピーすることができます。ただし、インストールアセットのファイル名はリリース間で変更される可能性があります。インストールファイルを以前のバージョンの OpenShift Container Platform からコピーする場合は注意してコピーを行ってください。
提供されるサンプルの
install-config.yaml
ファイルテンプレートをカスタマイズし、これを<installation_directory>
に保存します。注記この設定ファイルの名前を
install-config.yaml
と付ける必要があります。install-config.yaml
ファイルをバックアップし、複数のクラスターをインストールするのに使用できるようにします。重要install-config.yaml
ファイルは、インストールプロセスの次の手順で使用されます。この時点でこれをバックアップする必要があります。
10.8.1. インストール設定パラメーター
OpenShift Container Platform クラスターをデプロイする前に、クラスターをホストするクラウドプラットフォームでアカウントを記述し、クラスターのプラットフォームをオプションでカスタマイズするためにパラメーターの値を指定します。install-config.yaml
インストール設定ファイルを作成する際に、コマンドラインで必要なパラメーターの値を指定します。クラスターをカスタマイズする場合、install-config.yaml
ファイルを変更して、プラットフォームについての詳細情報を指定できます。
インストール後は、これらのパラメーターを install-config.yaml
ファイルで変更することはできません。
10.8.1.1. 必須設定パラメーター
必須のインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
|
| 文字列 |
|
クラウドプロバイダーのベースドメイン。ベースドメインは、OpenShift Container Platform クラスターコンポーネントへのルートを作成するために使用されます。クラスターの完全な DNS 名は、 |
|
|
Kubernetes リソース | オブジェクト |
|
クラスターの名前。クラスターの DNS レコードはすべて |
|
|
インストールを実行する特定のプラットフォームの設定: | オブジェクト |
| Red Hat OpenShift Cluster Manager からプルシークレット を取得して、Quay.io などのサービスから OpenShift Container Platform コンポーネントのコンテナーイメージをダウンロードすることを認証します。 |
{ "auths":{ "cloud.openshift.com":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" }, "quay.io":{ "auth":"b3Blb=", "email":"you@example.com" } } } |
10.8.1.2. ネットワーク設定パラメーター
既存のネットワークインフラストラクチャーの要件に基づいて、インストール設定をカスタマイズできます。たとえば、クラスターネットワークの IP アドレスブロックを拡張するか、デフォルトとは異なる IP アドレスブロックを指定できます。
IPv4 アドレスのみがサポートされます。
Globalnet は、Red Hat OpenShift Data Foundation ディザスターリカバリーソリューションではサポートされていません。局地的なディザスターリカバリーのシナリオでは、各クラスター内のクラスターとサービスネットワークに重複しない範囲のプライベート IP アドレスを使用するようにしてください。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| クラスターのネットワークの設定。 | オブジェクト 注記
インストール後に |
| インストールする Red Hat OpenShift Networking ネットワークプラグイン。 |
|
| Pod の IP アドレスブロック。
デフォルト値は 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 |
|
IPv4 ネットワーク |
CIDR (Classless Inter-Domain Routing) 表記の IP アドレスブロック。IPv4 ブロックの接頭辞長は |
|
それぞれの個別ノードに割り当てるサブネット接頭辞長。たとえば、 | サブネット接頭辞。
デフォルト値は |
|
サービスの IP アドレスブロック。デフォルト値は OpenShift SDN および OVN-Kubernetes ネットワークプラグインは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。 | CIDR 形式の IP アドレスブロックを持つ配列。以下に例を示します。 networking: serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 |
| マシンの IP アドレスブロック。 複数の IP アドレスブロックを指定する場合は、ブロックが重複しないようにしてください。 | オブジェクトの配列。以下に例を示します。 networking: machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 |
|
| CIDR 表記の IP ネットワークブロック。
例: 注記
優先される NIC が置かれている CIDR に一致する |
10.8.1.3. オプションの設定パラメーター
オプションのインストール設定パラメーターは、以下の表で説明されています。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| ノードの信頼済み証明書ストアに追加される PEM でエンコードされた X.509 証明書バンドル。この信頼バンドルは、プロキシーが設定される際にも使用できます。 | 文字列 |
| オプションのコアクラスターコンポーネントのインストールを制御します。オプションのコンポーネントを無効にすることで、OpenShift Container Platform クラスターのフットプリントを削減できます。詳細は、インストール の「クラスター機能ページ」を参照してください。 | 文字列配列 |
|
有効にするオプション機能の初期セットを選択します。有効な値は | 文字列 |
|
オプションの機能のセットを、 | 文字列配列 |
| ワークロードパーティション設定を使用して、OpenShift Container Platform サービス、クラスター管理ワークロード、およびインフラストラクチャー Pod を分離し、予約された CPU セットで実行できます。ワークロードパーティショニングはインストール中にのみ有効にすることができ、インストール後に無効にすることはできません。このフィールドはワークロードのパーティショニングを有効にしますが、特定の CPU を使用するようにワークロードを設定するわけではありません。詳細は、スケーラビリティとパフォーマンス セクションの ワークロードパーティショニング ページを参照してください。 |
|
| コンピュートノードを設定するマシンの設定。 |
|
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は、 | String |
compute: hyperthreading: |
コンピュートマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
|
|
|
|
|
|
| プロビジョニングするコンピュートマシン (ワーカーマシンとしても知られる) の数。 |
|
| 機能セットのクラスターを有効にします。機能セットは、デフォルトで有効にされない OpenShift Container Platform 機能のコレクションです。インストール中に機能セットを有効にする方法の詳細は、「機能ゲートの使用による各種機能の有効化」を参照してください。 |
文字列。 |
| コントロールプレーンを設定するマシンの設定。 |
|
|
プール内のマシンの命令セットアーキテクチャーを決定します。現在、さまざまなアーキテクチャーのクラスターはサポートされていません。すべてのプールは同じアーキテクチャーを指定する必要があります。有効な値は、 | String |
controlPlane: hyperthreading: |
コントロールプレーンマシンで同時マルチスレッドまたは 重要 同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。 |
|
|
|
|
|
|
|
| プロビジョニングするコントロールプレーンマシンの数。 |
サポートされる値は |
| Cloud Credential Operator (CCO) モード。モードを指定しないと、CCO は指定された認証情報の機能を動的に判別しようとします。この場合、複数のモードがサポートされるプラットフォームで Mint モードが優先されます。 注記 すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、Cluster Operators リファレンス の Cloud Credential Operator を参照してください。 注記
AWS アカウントでサービスコントロールポリシー (SCP) が有効になっている場合は、 |
|
| release-image コンテンツのソースおよびリポジトリー。 |
オブジェクトの配列。この表の以下の行で説明されているように、 |
|
| 文字列 |
| 同じイメージが含まれる可能性のあるリポジトリーを 1 つ以上指定します。 | 文字列の配列。 |
| Kubernetes API、OpenShift ルートなどのクラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュまたは公開する方法。 |
|
| クラスターマシンへのアクセスを認証するための SSH キー。 注記
インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、 |
たとえば、 |
すべてのクラウドプロバイダーですべての CCO モードがサポートされているわけではありません。CCO モードの詳細は、認証と認可 コンテンツの「クラウドプロバイダーの認証情報の管理」を参照してください。
重要このパラメーターを
Manual
に設定すると、管理者レベルのシークレットをkube-system
プロジェクトに保存する代替手段が有効になりますが、追加の設定手順が必要になります。詳細は、「管理者レベルのシークレットを kube-system プロジェクトに保存する代替方法」を参照してください。
10.8.1.4. 追加の Azure 設定パラメーター
追加の Azure 設定パラメーターは以下の表で説明されています。
デフォルトでは、install-config.yaml
ファイルでアベイラビリティゾーンを指定すると、インストールプログラムはコントロールプレーンマシンとコンピューティングマシンを リージョン 内の これらのアベイラビリティゾーン に分散します。クラスターの高可用性を確保するには、少なくとも 3 つ以上のアベイラビリティーゾーンのあるリージョンを選択します。リージョンに含まれるアベイラビリティーゾーンが 3 つ未満の場合、インストールプログラムは複数のコントロールプレーンマシンを利用可能なゾーンに配置します。
パラメーター | 説明 | 値 |
---|---|---|
| コンピュートマシンのホストレベルの暗号化を有効にします。ユーザー管理のサーバー側の暗号化とともに、この暗号化を有効にすることができます。この機能は、VM ホスト上の一時ディスク、エフェメラルディスク、キャッシュされたディスク、およびマネージド外のディスクを暗号化します。これは、ユーザー管理のサーバー側暗号化の前提条件ではありません。 |
|
| VM の Azure ディスクのサイズ。 |
GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは |
| ディスクのタイプを定義します。 |
|
| コンピュートノードの永続ストレージに Azure Ultra ディスクを使用できるようにします。これには、Azure リージョンおよびゾーンで Ultra ディスクを使用できるようにする必要があります。 |
|
| インストールの前提条件から設定されたディスク暗号化を含む Azure リソースグループの名前。このリソースグループは、クラスターが破棄されたときに Azure 暗号化キーが削除されないように、クラスターをインストールするリソースグループとは異なるものにする必要があります。この値は、ユーザー管理のディスク暗号化を使用してクラスターをインストールする場合にのみ必要です。 |
文字列 (例: |
| インストールの前提条件からの暗号化キーを含むディスク暗号化セットの名前。 |
文字列 (例: |
| ディスク暗号化セットが存在するディスク暗号化セットの Azure サブスクリプションを定義します。このセカンダリーディスク暗号化セットは、コンピュートマシンの暗号化に使用されます。 |
|
|
Accelerated ネットワークを有効にします。Accelerated ネットワークにより、仮想マシンに対して Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) が可能になり、ネットワークパフォーマンスが向上します。コンピュートマシンのインスタンスタイプが |
|
| コンピュートマシンの Azure インスタンスタイプを定義します。 | 文字列 |
| インストールプログラムがコンピュートマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。 | 文字列リスト |
| コントロールプレーンマシンの Azure インスタンスタイプを定義します。 | 文字列 |
| インストールプログラムがコントロールプレーンマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。 | 文字列リスト |
| コンピュートマシンのホストレベルの暗号化を有効にします。ユーザー管理のサーバー側の暗号化とともに、この暗号化を有効にすることができます。この機能は、VM ホスト上の一時ディスク、エフェメラルディスク、キャッシュされたディスク、および管理対象外のディスクを暗号化します。このパラメーターは、ユーザー管理のサーバー側暗号化の前提条件ではありません。 |
|
| インストールの前提条件からの暗号化キーを含むディスク暗号化セットの名前。 |
文字列 (例: |
| インストールの前提条件から設定されたディスク暗号化を含む Azure リソースグループの名前。このリソースグループは、クラスターが破棄されたときに Azure 暗号化キーが削除されないように、クラスターをインストールするリソースグループとは異なるものにする必要があります。この値は、ユーザー管理のディスク暗号化を使用してクラスターをインストールする場合にのみ必要です。 |
文字列 (例: |
| ディスク暗号化セットが存在するディスク暗号化セットの Azure サブスクリプションを定義します。このセカンダリーディスク暗号化セットは、コンピュートマシンの暗号化に使用されます。 |
|
| VM の Azure ディスクのサイズ。 |
GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは |
| ディスクのタイプを定義します。 |
|
| コントロールプレーンおよびコンピュートマシンの Azure インスタンスタイプ。 | Azure インスタンスタイプ。 |
| インストールプログラムがコンピュートマシンおよびコントロールプレーンマシンを作成するアベイラビリティーゾーン。 | 文字列リスト。 |
| コントロールプレーンマシンのホストレベルの暗号化を有効にします。ユーザー管理のサーバー側の暗号化とともに、この暗号化を有効にすることができます。この機能は、VM ホスト上の一時ディスク、エフェメラルディスク、キャッシュされたディスク、およびマネージド外のディスクを暗号化します。これは、ユーザー管理のサーバー側暗号化の前提条件ではありません。 |
|
| インストールの前提条件から設定されたディスク暗号化を含む Azure リソースグループの名前。このリソースグループは、クラスターが破棄されたときに Azure 暗号化キーが削除されないように、クラスターをインストールするリソースグループとは異なるものにする必要があります。この値は、ユーザー管理のディスク暗号化を使用してクラスターをインストールする場合にのみ必要です。 |
文字列 (例: |
| インストールの前提条件からの暗号化キーを含むディスク暗号化セットの名前。 |
文字列 (例: |
| ディスク暗号化セットが存在するディスク暗号化セットの Azure サブスクリプションを定義します。このセカンダリーディスク暗号化セットは、コントロールプレーンマシンの暗号化に使用されます。 |
|
| VM の Azure ディスクのサイズ。 |
GB 単位でディスクのサイズを表す整数。デフォルトは |
| ディスクのタイプを定義します。 |
|
| コントロールプレーンマシンの永続ストレージに Azure Ultra ディスクを使用できるようにします。これには、Azure リージョンおよびゾーンで Ultra ディスクを使用できるようにする必要があります。 |
|
|
Accelerated ネットワークを有効にします。Accelerated ネットワークにより、仮想マシンに対して Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) が可能になり、ネットワークパフォーマンスが向上します。コントロールプレーンマシンのインスタンスタイプが |
|
| ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前。 |
文字列 (例: |
| クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前。このリソースグループは空で、この特定のクラスターにのみ使用する必要があります。クラスターコンポーネントは、リソースグループ内のすべてのリソースの所有権を想定します。インストールプログラムのサービスプリンシパルの範囲をこのリソースグループに制限する場合は、環境内でインストールプログラムが使用する他のすべてのリソースに、パブリック DNS ゾーンや仮想ネットワークなどの必要なパーミッションがあることを確認する必要があります。インストールプログラムを使用してクラスターを破棄すると、このリソースグループが削除されます。 |
文字列 (例: |
| クラスターをインターネットに接続するために使用されるアウトバウンドルーティングストラテジー。ユーザー定義のルーティングを使用している場合、クラスターをインストールする前にアウトバウンドルーティングがすでに設定されている既存のネットワークが利用可能な状態にする必要があります。インストールプログラムはユーザー定義のルーティングの設定を行いません。 |
|
| クラスターをホストする Azure リージョンの名前。 |
|
| マシンを配置するアベイラビリティーゾーンのリスト。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。 |
ゾーンのリスト (例: |
| コントロールプレーンおよびコンピュートマシン上の永続ストレージに Azure Ultra ディスクを使用できるようにします。これには、Azure リージョンおよびゾーンで Ultra ディスクを使用できるようにする必要があります。 |
|
|
クラスターをデプロイする既存の VNet を含むリソースグループの名前。この名前は | 文字列。 |
| クラスターをデプロイする既存 VNet の名前。 | 文字列。 |
| コントロールプレーンマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。 |
有効な CIDR (例: |
| コンピュートマシンをデプロイする VNet 内の既存サブネットの名前。 |
有効な CIDR (例: |
|
適切な Azure API エンドポイントで Azure SDK を設定するために使用される Azure クラウド環境の名前。空の場合、デフォルト値の |
|
| Accelerated ネットワークを有効にします。Accelerated ネットワークにより、仮想マシンに対して Single Root I/O Virtualization (SR-IOV) が可能になり、ネットワークパフォーマンスが向上します。 |
|
Azure クラスターで、Azure アベイラビリティーゾーン のカスタマイズや タグを使用した Azure リソースの編成 を実行することはできません。
10.8.2. クラスターインストールの最小リソース要件
それぞれのクラスターマシンは、以下の最小要件を満たしている必要があります。
マシン | オペレーティングシステム | vCPU [1] | 仮想 RAM | ストレージ | 1 秒あたりの入出力 (IOPS) [2] |
---|---|---|---|---|---|
ブートストラップ | RHCOS | 4 | 16 GB | 100 GB | 300 |
コントロールプレーン | RHCOS | 4 | 16 GB | 100 GB | 300 |
Compute | RHCOS、RHEL 8.6 以降 [3] | 2 | 8 GB | 100 GB | 300 |
- 1 vCPU は、同時マルチスレッド (SMT) またはハイパースレッディングが有効にされていない場合に 1 つの物理コアと同等です。これが有効にされている場合、数式「(コアごとのスレッド × コア数) × ソケット数 = 仮想 CPU」を使用して対応する比率を計算します。
- OpenShift Container Platform および Kubernetes はディスクのパフォーマンスに敏感であり、特に 10 ms p99 fsync 期間を必要とするコントロールプレーンノード上の etcd には、高速ストレージが推奨されます。多くのクラウドプラットフォームでは、ストレージサイズと IOPS スケールが一緒にあるため、十分なパフォーマンスを得るためにストレージボリュームの割り当てが必要になる場合があります。
- すべての user-provisioned installation と同様に、クラスターで RHEL コンピュートマシンの使用を選択する場合は、システム更新の実行、パッチの適用、その他すべての必要なタスクの完了など、オペレーティングシステムのライフサイクルの管理と保守をすべて担当します。RHEL 7 コンピュートマシンの使用は非推奨となり、OpenShift Container Platform 4.10 以降で削除されています。
OpenShift Container Platform バージョン 4.13 の時点で、RHCOS は RHEL バージョン 9.2 に基づいており、マイクロアーキテクチャーの要件を更新します。次のリストには、各アーキテクチャーに必要な最小限の命令セットアーキテクチャー (ISA) が含まれています。
- x86-64 アーキテクチャーには x86-64-v2 ISA が必要
- ARM64 アーキテクチャーには ARMv8.0-A ISA が必要
- IBM Power アーキテクチャーには Power 9 ISA が必要
- s390x アーキテクチャーには z14 ISA が必要
詳細は、RHEL アーキテクチャー を参照してください。
premiumIO
パラメーターが true
に設定されている Azure 仮想マシンを使用する必要があります。
プラットフォームのインスタンスタイプがクラスターマシンの最小要件を満たす場合、これは OpenShift Container Platform で使用することがサポートされます。
関連情報
10.8.3. Azure のテスト済みインスタンスタイプ
以下の Microsoft Azure インスタンスタイプは OpenShift Container Platform でテストされています。
例10.1 64 ビット x86 アーキテクチャーに基づくマシンタイプ
-
standardBasv2Family
-
standardBSFamily
-
standardBsv2Family
-
standardDADSv5Family
-
standardDASv4Family
-
standardDASv5Family
-
standardDCACCV5Family
-
standardDCADCCV5Family
-
standardDCADSv5Family
-
standardDCASv5Family
-
standardDCSv3Family
-
standardDCSv2Family
-
standardDDCSv3Family
-
standardDDSv4Family
-
standardDDSv5Family
-
standardDLDSv5Family
-
standardDLSv5Family
-
standardDSFamily
-
standardDSv2Family
-
standardDSv2PromoFamily
-
standardDSv3Family
-
standardDSv4Family
-
standardDSv5Family
-
standardEADSv5Family
-
standardEASv4Family
-
standardEASv5Family
-
standardEBDSv5Family
-
standardEBSv5Family
-
standardECACCV5Family
-
standardECADCCV5Family
-
standardECADSv5Family
-
standardECASv5Family
-
standardEDSv4Family
-
standardEDSv5Family
-
standardEIADSv5Family
-
standardEIASv4Family
-
standardEIASv5Family
-
standardEIBDSv5Family
-
standardEIBSv5Family
-
standardEIDSv5Family
-
standardEISv3Family
-
standardEISv5Family
-
standardESv3Family
-
standardESv4Family
-
standardESv5Family
-
standardFXMDVSFamily
-
standardFSFamily
-
standardFSv2Family
-
standardGSFamily
-
standardHBrsv2Family
-
standardHBSFamily
-
standardHBv4Family
-
standardHCSFamily
-
standardHXFamily
-
standardLASv3Family
-
standardLSFamily
-
standardLSv2Family
-
standardLSv3Family
-
standardMDSHighMemoryv3Family
-
standardMDSMediumMemoryv2Family
-
standardMDSMediumMemoryv3Family
-
standardMIDSHighMemoryv3Family
-
standardMIDSMediumMemoryv2Family
-
standardMISHighMemoryv3Family
-
standardMISMediumMemoryv2Family
-
standardMSFamily
-
standardMSHighMemoryv3Family
-
standardMSMediumMemoryv2Family
-
standardMSMediumMemoryv3Family
-
StandardNCADSA100v4Family
-
Standard NCASv3_T4 Family
-
standardNCSv3Family
-
standardNDSv2Family
-
StandardNGADSV620v1Family
-
standardNPSFamily
-
StandardNVADSA10v5Family
-
standardNVSv3Family
-
standardXEISv4Family
10.8.4. Azure のカスタマイズされた install-config.yaml ファイルのサンプル
install-config.yaml
ファイルをカスタマイズして、OpenShift Container Platform クラスターのプラットフォームに関する詳細を指定するか、必要なパラメーターの値を変更することができます。
このサンプルの YAML ファイルは参照用にのみ提供されます。インストールプログラムを使用して install-config.yaml
ファイルを取得し、これを変更する必要があります。
apiVersion: v1 baseDomain: example.com 1 controlPlane: 2 hyperthreading: Enabled 3 4 name: master platform: azure: encryptionAtHost: true ultraSSDCapability: Enabled osDisk: diskSizeGB: 1024 5 diskType: Premium_LRS diskEncryptionSet: resourceGroup: disk_encryption_set_resource_group name: disk_encryption_set_name subscriptionId: secondary_subscription_id type: Standard_D8s_v3 replicas: 3 compute: 6 - hyperthreading: Enabled 7 name: worker platform: azure: ultraSSDCapability: Enabled type: Standard_D2s_v3 encryptionAtHost: true osDisk: diskSizeGB: 512 8 diskType: Standard_LRS diskEncryptionSet: resourceGroup: disk_encryption_set_resource_group name: disk_encryption_set_name subscriptionId: secondary_subscription_id zones: 9 - "1" - "2" - "3" replicas: 5 metadata: name: test-cluster 10 networking: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/14 hostPrefix: 23 machineNetwork: - cidr: 10.0.0.0/16 networkType: OVNKubernetes 11 serviceNetwork: - 172.30.0.0/16 platform: azure: defaultMachinePlatform: ultraSSDCapability: Enabled baseDomainResourceGroupName: resource_group 12 region: usgovvirginia resourceGroupName: existing_resource_group 13 networkResourceGroupName: vnet_resource_group 14 virtualNetwork: vnet 15 controlPlaneSubnet: control_plane_subnet 16 computeSubnet: compute_subnet 17 outboundType: UserDefinedRouting 18 cloudName: AzureUSGovernmentCloud 19 pullSecret: '{"auths": ...}' 20 fips: false 21 sshKey: ssh-ed25519 AAAA... 22 publish: Internal 23
- 1 10 20
- 必須。
- 2 6
- これらのパラメーターおよび値を指定しない場合、インストールプログラムはデフォルトの値を指定します。
- 3 7
controlPlane
セクションは単一マッピングですが、compute
セクションはマッピングのシーケンスになります。複数の異なるデータ構造の要件を満たすには、compute
セクションの最初の行はハイフン-
で始め、controlPlane
セクションの最初の行はハイフンで始めることができません。1 つのコントロールプレーンプールのみが使用されます。- 4
- 同時マルチスレッドまたは
hyperthreading
を有効/無効にするかどうか。デフォルトでは、同時スレッドはマシンのコアのパフォーマンスを上げるために有効にされます。パラメーター値をDisabled
に設定するとこれを無効にすることができます。一部のクラスターマシンで同時マルチスレッドを無効にする場合は、これをすべてのクラスターマシンで無効にする必要があります。重要同時スレッドを無効にする場合は、容量計画においてマシンパフォーマンスの大幅な低下が考慮に入れられていることを確認します。同時マルチスレッドを無効にする場合は、マシンに対して
Standard_D8s_v3
などの大規模な仮想マシンタイプを使用します。 - 5 8
- 使用するディスクのサイズは、GB 単位で指定できます。コントロールプレーンノードの最小推奨値は 1024 GB です。
- 9
- マシンをデプロイするゾーンのリストを指定します。高可用性を確保するには、少なくとも 2 つのゾーンを指定します。
- 11
- インストールするクラスターネットワークプラグイン。サポートされている値は
OVNKubernetes
とOpenShiftSDN
です。デフォルトの値はOVNkubernetes
です。 - 12
- ベースドメインの DNS ゾーンが含まれるリソースグループの名前を指定します。
- 13
- クラスターをインストールする既存のリソースグループの名前を指定します。定義されていない場合は、クラスターに新しいリソースグループが作成されます。
- 14
- 既存の VNet を使用する場合は、それが含まれるリソースグループの名前を指定します。
- 15
- 既存の VNet を使用する場合は、その名前を指定します。
- 16
- 既存の VNet を使用する場合は、コントロールプレーンマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
- 17
- 既存の VNet を使用する場合は、コンピュートマシンをホストするサブネットの名前を指定します。
- 18
- 独自のアウトバウンドルーティングをカスタマイズすることができます。ユーザー定義のルーティングを設定すると、クラスターに外部エンドポイントが公開されなくなります。エグレスのユーザー定義のルーティングでは、クラスターを既存の VNet にデプロイする必要があります。
- 19
- クラスターをデプロイする Azure クラウド環境の名前を指定します。
AzureUSGovernmentCloud
を Microsoft Azure Government (MAG) リージョンにデプロイするように設定します。デフォルト値はAzurePublicCloud
です。 - 21
- FIPS モードを有効または無効にするかどうか。デフォルトでは、FIPS モードは有効にされません。重要
OpenShift Container Platform 4.13 は Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 9.2 をベースにしています。FIPS 検証用に RHEL 9.2 暗号化モジュールがまだ送信されていません。詳細は、4.13 OpenShift Container Platform リリースノート の "About this release" を参照してください。
- 22
- クラスター内のマシンにアクセスするために使用する
sshKey
値をオプションで指定できます。注記インストールのデバッグまたは障害復旧を実行する必要のある実稼働用の OpenShift Container Platform クラスターでは、
ssh-agent
プロセスが使用する SSH キーを指定します。 - 23
- クラスターのユーザーに表示されるエンドポイントをパブリッシュする方法。プライベートクラスターをデプロイするには、
publish
をInternal
に設定します。これはインターネットからアクセスできません。デフォルト値はExternal
です。
10.8.5. インストール時のクラスター全体のプロキシーの設定
実稼働環境では、インターネットへの直接アクセスを拒否し、代わりに HTTP または HTTPS プロキシーを使用することができます。プロキシー設定を install-config.yaml
ファイルで行うことにより、新規の OpenShift Container Platform クラスターをプロキシーを使用するように設定できます。
前提条件
-
既存の
install-config.yaml
ファイルがある。 クラスターがアクセスする必要のあるサイトを確認済みで、それらのいずれかがプロキシーをバイパスする必要があるかどうかを判別している。デフォルトで、すべてのクラスター Egress トラフィック (クラスターをホストするクラウドに関するクラウドプロバイダー API に対する呼び出しを含む) はプロキシーされます。プロキシーを必要に応じてバイパスするために、サイトを
Proxy
オブジェクトのspec.noProxy
フィールドに追加している。注記Proxy
オブジェクトのstatus.noProxy
フィールドには、インストール設定のnetworking.machineNetwork[].cidr
、networking.clusterNetwork[].cidr
、およびnetworking.serviceNetwork[]
フィールドの値が設定されます。Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud Platform (GCP)、Microsoft Azure、および Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) へのインストールの場合、
Proxy
オブジェクトのstatus.noProxy
フィールドには、インスタンスメタデータのエンドポイント (169.254.169.254
) も設定されます。
手順
install-config.yaml
ファイルを編集し、プロキシー設定を追加します。以下に例を示します。apiVersion: v1 baseDomain: my.domain.com proxy: httpProxy: http://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 1 httpsProxy: https://<username>:<pswd>@<ip>:<port> 2 noProxy: example.com 3 additionalTrustBundle: | 4 -----BEGIN CERTIFICATE----- <MY_TRUSTED_CA_CERT> -----END CERTIFICATE----- additionalTrustBundlePolicy: <policy_to_add_additionalTrustBundle> 5
- 1
- クラスター外の HTTP 接続を作成するために使用するプロキシー URL。URL スキームは
http
である必要があります。 - 2
- クラスター外で HTTPS 接続を作成するために使用するプロキシー URL。
- 3
- プロキシーから除外するための宛先ドメイン名、IP アドレス、または他のネットワーク CIDR のコンマ区切りのリスト。サブドメインのみと一致するように、ドメインの前に
.
を付けます。たとえば、.y.com
はx.y.com
に一致しますが、y.com
には一致しません。*
を使用し、すべての宛先のプロキシーをバイパスします。 - 4
- 指定されている場合、インストールプログラムは HTTPS 接続のプロキシーに必要な 1 つ以上の追加の CA 証明書が含まれる
user-ca-bundle
という名前の設定マップをopenshift-config
namespace に生成します。次に Cluster Network Operator は、これらのコンテンツを Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) 信頼バンドルにマージするtrusted-ca-bundle
設定マップを作成し、この設定マップはProxy
オブジェクトのtrustedCA
フィールドで参照されます。additionalTrustBundle
フィールドは、プロキシーのアイデンティティー証明書が RHCOS 信頼バンドルからの認証局によって署名されない限り必要になります。 - 5
- オプション:
trustedCA
フィールドのuser-ca-bundle
設定マップを参照するProxy
オブジェクトの設定を決定するポリシー。許可される値はProxyonly
およびAlways
です。Proxyonly
を使用して、http/https
プロキシーが設定されている場合にのみuser-ca-bundle
設定マップを参照します。Always
を使用して、常にuser-ca-bundle
設定マップを参照します。デフォルト値はProxyonly
です。
注記インストールプログラムは、プロキシーの
readinessEndpoints
フィールドをサポートしません。注記インストーラーがタイムアウトした場合は、インストーラーの
wait-for
コマンドを使用してデプロイメントを再起動してからデプロイメントを完了します。以下に例を示します。$ ./openshift-install wait-for install-complete --log-level debug
- ファイルを保存し、OpenShift Container Platform のインストール時にこれを参照します。
インストールプログラムは、指定の install-config.yaml
ファイルのプロキシー設定を使用する cluster
という名前のクラスター全体のプロキシーを作成します。プロキシー設定が指定されていない場合、cluster
Proxy
オブジェクトが依然として作成されますが、これには spec
がありません。
cluster
という名前の Proxy
オブジェクトのみがサポートされ、追加のプロキシーを作成することはできません。
関連情報
- 高速ネットワークの詳細については、Accelerated Networking for Microsoft Azure VMs を参照してください。