15.14. AWS でのブートストラップノードの作成
OpenShift Container Platform クラスターの初期化で使用するブートストラップノードを Amazon Web Services (AWS) で作成する必要があります。これは、以下の方法で行います。
-
bootstrap.ignIgnition 設定ファイルをクラスターに送るための場所を指定。このファイルはインストールディレクトリーに置かれます。提供される CloudFormation テンプレートでは、クラスターの Ignition 設定ファイルは S3 バケットから送られることを前提としています。このファイルを別の場所から送ることを選択する場合は、テンプレートを変更する必要があります。 - 提供される CloudFormation テンプレートおよびカスタムパラメーターファイルを使用して、AWS リソースのスタックを作成できます。スタックは、OpenShift Container Platform インストールに必要なブートストラップノードを表します。
提供される CloudFormation テンプレートを使用してブートストラップノードを作成しない場合、提供される情報を確認し、インフラストラクチャーを手動で作成する必要があります。クラスターが適切に初期化されない場合、インストールログを用意して Red Hat サポートに問い合わせする必要がある可能性があります。
前提条件
- AWS アカウントを設定している。
-
aws configureを実行して、AWS キーおよびリージョンをローカルの AWS プロファイルに追加している。 - クラスターの Ignition 設定ファイルを生成している。
- AWS で VPC および関連するサブネットを作成し、設定している。
- AWS で DNS、ロードバランサー、およびリスナーを作成し、設定している。
- AWS でクラスターに必要なセキュリティーグループおよびロールを作成している。
手順
以下のコマンドを実行してバケットを作成します。
aws s3 mb s3://<cluster-name>-infra
$ aws s3 mb s3://<cluster-name>-infra1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<cluster-name>-infraはバケット名です。install-config.yamlファイルを作成する際に、<cluster-name>をクラスターに指定された名前に置き換えます。
以下の場合は、
s3://スキーマではなく、S3 バケットに事前に署名された URL を使用する必要があります。- AWS SDK とは異なるエンドポイントを持つリージョンへのデプロイ。
- プロキシーをデプロイする。
- カスタムエンドポイントを指定します。
以下のコマンドを実行して
bootstrap.ignIgnition 設定ファイルをバケットにアップロードします。aws s3 cp <installation_directory>/bootstrap.ign s3://<cluster-name>-infra/bootstrap.ign
$ aws s3 cp <installation_directory>/bootstrap.ign s3://<cluster-name>-infra/bootstrap.ign1 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<installation_directory>には、インストールファイルを保存したディレクトリーへのパスを指定します。
以下のコマンドを実行して、ファイルがアップロードされていることを確認します。
aws s3 ls s3://<cluster-name>-infra/
$ aws s3 ls s3://<cluster-name>-infra/Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 出力例
2019-04-03 16:15:16 314878 bootstrap.ign
2019-04-03 16:15:16 314878 bootstrap.ignCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記ブートストラップ Ignition 設定ファイルには、X.509 キーのようなシークレットが含まれません。以下の手順では、S3 バケットの基本的なセキュリティーを提供します。追加のセキュリティーを提供するには、OpenShift IAM ユーザーなどの特定のユーザーのみがバケットに含まれるオブジェクトにアクセスできるように S3 バケットポリシーを有効にできます。S3 を完全に回避し、ブートストラップマシンが到達できるアドレスからブートストラップ Ignition 設定ファイルを送ることができます。
テンプレートが必要とするパラメーター値が含まれる JSON ファイルを作成します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
- クラスターの Ignition 設定ファイルでエンコードされるクラスターインフラストラクチャーの名前。
- 2
- 形式が
<cluster-name>-<random-string>の Ignition 設定ファイルから抽出したインフラストラクチャー名を指定します。 - 3
- 選択したアーキテクチャーに基づいてブートストラップノードに使用する最新の Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) AMI。
- 4
- 有効な
AWS::EC2::Image::Id値を指定します。 - 5
- ブートストラップノードへの SSH アクセスを許可する CIDR ブロック。
- 6
x.x.x.x/16-24形式で CIDR ブロックを指定します。- 7
- ブートストラップを起動するために VPC に関連付けられるパブリックサブネット。
- 8
- VPC の CloudFormation テンプレートの出力から
PublicSubnetIds値を指定します。 - 9
- マスターセキュリティーグループ ID (一時ルールの登録用)。
- 10
- セキュリティーグループおよびロールの CloudFormation テンプレートから
MasterSecurityGroupId値を指定します。 - 11
- 作成されたリソースが属する VPC。
- 12
- VPC の CloudFormation テンプレートの出力から
VpcId値を指定します。 - 13
- ブートストラップの Ignition 設定ファイルをフェッチする場所。
- 14
s3://<bucket_name>/bootstrap.ignの形式で S3 バケットおよびファイル名を指定します。- 15
- ネットワークロードバランサー (NLB) を登録するかどうか。
- 16
yesまたはnoを指定します。yesを指定する場合、Lambda Amazon Resource Name (ARN) の値を指定する必要があります。- 17
- NLB IP ターゲット登録 lambda グループの ARN。
- 18
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
RegisterNlbIpTargetsLambda値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-govを使用します。 - 19
- 外部 API ロードバランサーのターゲットグループの ARN。
- 20
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
ExternalApiTargetGroupArn値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-govを使用します。 - 21
- 内部 API ロードバランサーのターゲットグループの ARN。
- 22
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
InternalApiTargetGroupArn値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-govを使用します。 - 23
- 内部サービスバランサーのターゲットグループの ARN。
- 24
- DNS および負荷分散の CloudFormation テンプレートの出力から
InternalServiceTargetGroupArn値を指定します。クラスターを AWS GovCloud リージョンにデプロイする場合は、arn:aws-us-govを使用します。
- このトピックの ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート セクションからテンプレートをコピーし、これをコンピューター上に YAML ファイルとして保存します。このテンプレートは、クラスターに必要なブートストラップマシンを記述しています。
-
オプション: プロキシーを使用してクラスターをデプロイする場合は、テンプレートの ignition を更新して
ignition.config.proxyフィールドを追加する必要があります。さらに、Amazon EC2、Elastic Load Balancing、および S3 VPC エンドポイントを VPC に追加している場合は、これらのエンドポイントをnoProxyフィールドに追加する必要があります。 CloudFormation テンプレートを起動し、ブートストラップノードを表す AWS リソースのスタックを作成します。
重要単一行にコマンドを入力してください。
aws cloudformation create-stack --stack-name <name>
$ aws cloudformation create-stack --stack-name <name>1 --template-body file://<template>.yaml2 --parameters file://<parameters>.json3 --capabilities CAPABILITY_NAMED_IAM4 Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - 1
<name>はcluster-bootstrapなどの CloudFormation スタックの名前です。クラスターを削除する場合に、このスタックの名前が必要になります。- 2
<template>は、保存した CloudFormation テンプレート YAML ファイルへの相対パスまたはその名前です。- 3
<parameters>は、CloudFormation パラメーター JSON ファイルへの相対パスまたは名前です。- 4
- 提供されるテンプレートは一部の
AWS::IAM::RoleおよびAWS::IAM::InstanceProfileリソースを作成するため、CAPABILITY_NAMED_IAM機能を明示的に宣言する必要があります。
出力例
arn:aws:cloudformation:us-east-1:269333783861:stack/cluster-bootstrap/12944486-2add-11eb-9dee-12dace8e3a83
arn:aws:cloudformation:us-east-1:269333783861:stack/cluster-bootstrap/12944486-2add-11eb-9dee-12dace8e3a83Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow テンプレートのコンポーネントが存在することを確認します。
aws cloudformation describe-stacks --stack-name <name>
$ aws cloudformation describe-stacks --stack-name <name>Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow StackStatusがCREATE_COMPLETEを表示した後に、出力には以下のパラメーターの値が表示されます。これらのパラメーターの値をクラスターを作成するために実行する他の CloudFormation テンプレートに指定する必要があります。BootstrapInstanceIdブートストラップインスタンス ID。
BootstrapPublicIpブートストラップノードのパブリック IP アドレス。
BootstrapPrivateIpブートストラップノードのプライベート IP アドレス。
15.14.1. ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
以下の CloudFormation テンプレートを使用し、OpenShift Container Platform クラスターに必要なブートストラップマシンをデプロイできます。
例15.19 ブートストラップマシンの CloudFormation テンプレート