8.15. RHCOS のインストールおよび OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスの開始


OpenShift Container Platform を VMware vSphere の user-provisioned infrastructure にインストールするには、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を vSphere ホストにインストールする必要があります。RHCOS のインストール時に、インストールするマシンのタイプに、OpenShift Container Platform インストールプログラムによって生成された Ignition 設定ファイルを指定する必要があります。適切なネットワーク、DNS、および負荷分散インフラストラクチャーが設定されている場合、OpenShift Container Platform ブートストラッププロセスは RHCOS マシンの再起動後に自動的に開始されます。

前提条件

  • クラスターの Ignition 設定ファイルを取得している。
  • お使いのコンピューターからアクセスでき、作成するマシンがアクセスできる HTTP サーバーへのアクセス権がある。
  • vSphere クラスター を作成している。

手順

  1. <installation_directory>/bootstrap.ign という名前のインストールプログラムが作成したブートストラップ Ignition 設定ファイルを HTTP サーバーにアップロードします。このファイルの URL をメモします。
  2. ブートストラップノードの以下の二次的な Ignition 設定ファイルを、<installation_directory>/merge-bootstrap.ign としてコンピューターに保存します。

    {
      "ignition": {
        "config": {
          "merge": [
            {
              "source": "<bootstrap_ignition_config_url>", 1
              "verification": {}
            }
          ]
        },
        "timeouts": {},
        "version": "3.2.0"
      },
      "networkd": {},
      "passwd": {},
      "storage": {},
      "systemd": {}
    }
    1
    ホストしているブートストラップの Ignition 設定ファイルの URL を指定します。

    ブートストラップマシンの仮想マシン (VM) を作成する場合に、この Ignition 設定ファイルを使用します。

  3. インストールプログラムにより作成された次の Ignition 設定ファイルを見つけます。

    • <installation_directory>/master.ign
    • <installation_directory>/worker.ign
    • <installation_directory>/merge-bootstrap.ign
  4. Ignition 設定ファイルを Base64 エンコーディングに変換します。この手順の後半で、これらのファイルを VM の追加の設定パラメーター guestinfo.ignition.config.data に追加する必要があります。

    たとえば、Linux オペレーティングシステムを使用する場合、base64 コマンドを使用してファイルをエンコードできます。

    $ base64 -w0 <installation_directory>/master.ign > <installation_directory>/master.64
    $ base64 -w0 <installation_directory>/worker.ign > <installation_directory>/worker.64
    $ base64 -w0 <installation_directory>/merge-bootstrap.ign > <installation_directory>/merge-bootstrap.64
    重要

    インストールの完了後にコンピュートマシンをさらにクラスターに追加する予定の場合には、これらのファイルを削除しないでください。

  5. RHCOS OVA イメージを取得します。イメージは、RHCOS イメージミラー ページから入手できます。

    重要

    RHCOS イメージは OpenShift Container Platform の各リリースごとに変更されない可能性があります。インストールする OpenShift Container Platform バージョンと等しいか、それ以下のバージョンの内で最も新しいバージョンのイメージをダウンロードする必要があります。利用可能な場合は、OpenShift Container Platform バージョンに一致するイメージのバージョンを使用します。

    ファイル名には、rhcos-vmware.<architecture>.ova 形式の OpenShift Container Platform のバージョン番号が含まれます。

  6. vSphere クライアントで、仮想マシンを保管するフォルダーをデータセンターに作成します。

    1. VMs and Templates ビューをクリックします。
    2. データセンターの名前を右クリックします。
    3. New Folder New VM and Template Folder をクリックします。
    4. 表示されるウィンドウで、フォルダー名を入力します。install-config.yaml ファイルに既存のフォルダーを指定していない場合には、インフラストラクチャー ID と同じ名前を持つフォルダーを作成します。このフォルダー名を使用すると、vCenter はその Workspace 設定に適した場所にあるストレージを動的にプロビジョニングします。
  7. vSphere クライアントで、OVA イメージのテンプレートを作成してから、必要に応じてテンプレートのクローンを作成します。

    注記

    以下の手順では、テンプレートを作成してから、すべてのクラスターマシンのテンプレートのクローンを作成します。次に、仮想マシンのプロビジョニング時にクローン作成されたマシンタイプの Ignition 設定ファイルの場所を指定します。

    1. Hosts and Clusters タブで、クラスターの名前を右クリックし、Deploy OVF Template を選択します。
    2. Select an OVF タブで、ダウンロードした RHCOS OVA ファイルの名前を指定します。
    3. Select a name and folder タブで、Template-RHCOS などの Virtual machine name をテンプレートに設定します。vSphere クラスターの名前をクリックし、直前の手順で作成したフォルダーを選択します。
    4. Select a compute resource タブで、vSphere クラスターの名前をクリックします。
    5. Select storage タブで、仮想マシンのストレージオプションを設定します。

      • ストレージ設定に応じて、Thin Provision または Thick Provision を選択します。
      • install-config.yaml ファイルで指定したデータストアを選択します。
      • 仮想マシンを暗号化する場合は、Encrypt this virtual machine を選択します。詳細は、「仮想マシンを暗号化するための要件」セクションを参照してください。
    6. Select network タブで、クラスターに設定したネットワークを指定します (ある場合)。
    7. OVF テンプレートの作成時には、Customize template タブで値を指定したり、テンプレートに追加の設定をしないようにしてください。

      重要

      元の仮想マシンテンプレートは開始しないでください。仮想マシンテンプレートは停止した状態でなければなりません。また、新規 RHCOS マシン用にクローン作成する必要があります。仮想マシンテンプレートを起動すると、仮想マシンテンプレートがプラットフォームの仮想マシンとして設定されるので、これをコンピュートマシンセットで設定を適用できるテンプレートとして使用できなくなります。

  8. 必要に応じて、仮想マシンテンプレートで設定された仮想ハードウェアバージョンを更新します。詳細は、VMware ドキュメントの Upgrading a virtual machine to the latest hardware version を参照してください。

    重要

    必要に応じて、仮想マシンを作成する前に、仮想マシンテンプレートのハードウェアバージョンをバージョン 15 に更新することが推奨されます。vSphere で実行しているクラスターノード用にハードウェアバージョン 13 を使用することは非推奨となりました。インポートしたテンプレートがハードウェアバージョン 13 にデフォルト設定されている場合は、仮想マシンテンプレートをハードウェアバージョン 15 にアップグレードする前に、ESXi ホストが 6.7U3 以降を使用していることを確認する必要があります。vSphere のバージョンが 6.7U3 未満の場合は、このアップグレード手順を省略できます。ただし、OpenShift Container Platform の今後のバージョンでは、ハードウェアバージョン 13 および vSphere バージョンのサポートが 6.7U3 未満になる予定です。

  9. テンプレートがデプロイされた後に、マシンの仮想マシンをクラスターにデプロイします。

    1. テンプレートの名前を右クリックし、Clone Clone to Virtual Machine をクリックします。
    2. Select a name and folder タブで、仮想マシンの名前を指定します。control-plane-0 または compute-1 などのように、マシンタイプを名前に含めることができるかもしれません。

      注記

      vSphere インストール全体のすべての仮想マシン名が一意であることを確認してください。

    3. Select a name and folder タブで、クラスターに作成したフォルダーの名前を選択します。
    4. Select a compute resource タブで、データセンター内のホストの名前を選択します。
    5. Select clone options で、Customize this virtual machine's hardware を選択します。
    6. Customize hardware タブで、Advanced Parameters をクリックします。

      重要

      次の設定の提案は、例としてのみ使用されます。クラスター管理者は、クラスターに課せられるリソース需要に従ってリソースを設定する必要があります。クラスターリソースを最適に管理するには、クラスターのルートリソースプールからリソースプールを作成することを検討してください。

      • オプション: vSphere でデフォルトの DHCP ネットワークを上書きします。静的 IP ネットワークを有効にするには、以下を実行します。

        • 静的 IP 設定を行います。

          コマンドの例

          $ export IPCFG="ip=<ip>::<gateway>:<netmask>:<hostname>:<iface>:none nameserver=srv1 [nameserver=srv2 [nameserver=srv3 [...]]]"

          コマンドの例

          $ export IPCFG="ip=192.168.100.101::192.168.100.254:255.255.255.0:::none nameserver=8.8.8.8"

        • vSphere で OVA から仮想マシンを起動する前に、guestinfo.afterburn.initrd.network-kargs プロパティーを設定します。

          コマンドの例

          $ govc vm.change -vm "<vm_name>" -e "guestinfo.afterburn.initrd.network-kargs=${IPCFG}"

      • Attribute フィールドおよび Values フィールドにデータを指定して、以下の設定パラメーター名と値を追加します。作成するパラメーターごとに Add ボタンを選択してください。

        • guestinfo.ignition.config.data: この手順で先程作成した、base-64 でエンコードされたファイルを見つけて、このマシンタイプに関する base-64 でエンコードされた Ignition 設定ファイルの内容を貼り付けます。
        • guestinfo.ignition.config.data.encoding: base64 を指定します。
        • disk.EnableUUID: TRUE を指定します。
        • stealclock.enable: このパラメーターが定義されていない場合は、追加して TRUE を指定します。
        • クラスターの root リソースプールから子リソースプールを作成します。この子リソースプールでリソースの割り当てを実行します。
    7. Customize hardware タブの Virtual Hardware パネルで、必要に応じて指定した値を変更します。RAM、CPU、およびディスクストレージの量がマシンタイプの最小要件を満たすことを確認してください。
    8. 残りの設定手順を完了します。Finish ボタンをクリックして、クローン作成操作を完了します。
    9. Virtual Machines タブで仮想マシンを右クリックし、Power Power On を選択します。
    10. コンソール出力をチェックして、Ignition が実行されたことを確認します。

      コマンドの例

      Ignition: ran on 2022/03/14 14:48:33 UTC (this boot)
      Ignition: user-provided config was applied

次のステップ

  • 各マシンごとに先の手順に従って、クラスターの残りのマシンを作成します。

    重要

    この時点でブートストラップおよびコントロールプレーンマシンを作成する必要があります。一部の Pod はデフォルトでコンピュートマシンにデプロイされるため、クラスターのインストール前に、2 つ以上のコンピュートマシンを作成します。

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