3.5. コネクター


コネクターは 2 つのパイプラインを接続します。1 つのパイプラインの終了時にエクスポーターとしてデータを消費し、別のパイプラインの開始時にレシーバーとしてデータを出力します。同じまたは異なるデータ型のデータを消費および出力できます。データを生成および出力して、消費されたデータを要約することも、単にデータを複製またはルーティングすることもできます。

現在、Red Hat build of OpenTelemetry では、次の一般提供およびテクノロジープレビューのコネクターが利用可能です。

3.5.1. Count Connector

Count Connector は、エクスポーターパイプライン内のトレーススパン、トレーススパンイベント、メトリクス、メトリクスデータポイント、およびログレコードをカウントします。

重要

Count Connector はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

デフォルトのメトリクス名は次のとおりです。

  • trace.span.count
  • trace.span.event.count
  • metric.count
  • metric.datapoint.count
  • log.record.count

カスタムメトリクス名を公開することもできます。

Count Connector が有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース (CR)

# ...
  config:
    receivers:
      otlp:
        protocols:
          grpc:
            endpoint: 0.0.0.0:4317
    exporters:
      prometheus:
        endpoint: 0.0.0.0:8889
    connectors:
      count: {}
    service:
      pipelines: 1
        traces/in:
          receivers: [otlp]
          exporters: [count] 2
        metrics/out:
          receivers: [count] 3
          exporters: [prometheus]
# ...

1
パイプライン内のエクスポーターまたはレシーバーとして Count Connector を正しく設定し、生成されたメトリクスを正しいエクスポーターにエクスポートすることが重要です。
2
スパンをエクスポーターとして受信するように Count Connector を設定します。
3
生成されたメトリクスをレシーバーとして送信するように Count Connector を設定します。
ヒント

Count Connector が期待どおりのメトリクスを生成していない場合は、OpenTelemetry Collector が期待どおりのスパン、メトリクス、およびログを受信しているかどうか、またテレメトリーデータが期待どおりに Count Connector を介して流れているかどうかを確認してください。Debug Exporter を使用して、受信したテレメトリーデータを検査することもできます。

Count Connector は、spansspaneventsmetricsdatapointslogs などのフィールドを使用して設定されている場合に、定義された条件に従ってテレメトリーデータをカウントし、それらのデータをメトリクスとして公開できます。次の例を参照してください。

条件によってスパンをカウントする Count Connector の OpenTelemetry Collector CR の例

# ...
  config:
    connectors:
      count:
        spans: 1
          <custom_metric_name>: 2
            description: "<custom_metric_description>"
            conditions:
              - 'attributes["env"] == "dev"'
              - 'name == "devevent"'
# ...

1
この例では、公開されるメトリクスによって、指定した条件を満たすスパンをカウントします。
2
cluster.prod.event.count などのカスタムメトリクス名を指定できます。
ヒント

条件を正しく記述し、属性のマッチングやテレメトリーフィールドの条件に必要な構文に準拠してください。条件の不適切な定義が最も多いエラーの原因です。

Count Connector は、spansspaneventsmetricsdatapointslogs などのフィールドを使用して設定されている場合に、定義された属性に従ってテレメトリーデータをカウントできます。次の例を参照してください。属性のキーはテレメトリーデータに注入されます。欠落している属性については、default_value フィールドに値を定義する必要があります。

属性によってログをカウントする Count Connector の OpenTelemetry Collector CR の例

# ...
  config:
    connectors:
      count:
        logs: 1
          <custom_metric_name>: 2
            description: "<custom_metric_description>"
            attributes:
              - key: env
                default_value: unknown 3
# ...

1
ログの属性を指定します。
2
my.log.count などのカスタムメトリクス名を指定できます。
3
属性が設定されていない場合のデフォルト値を定義します。

3.5.2. Routing Connector

Routing Connector は、OpenTelemetry Transformation Language (OTTL) ステートメントとして記述されたリソース属性とルーティング条件に従って、ログ、メトリクス、およびトレースを指定されたパイプラインにルーティングします。

重要

Routing Connector はテクノロジープレビュー機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

Routing Connector が有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

# ...
  config:
    connectors:
      routing:
        table: 1
          - statement: route() where attributes["X-Tenant"] == "dev" 2
            pipelines: [traces/dev] 3
          - statement: route() where attributes["X-Tenant"] == "prod"
            pipelines: [traces/prod]
        default_pipelines: [traces/dev] 4
        error_mode: ignore 5
        match_once: false 6
    service:
      pipelines:
        traces/in:
          receivers: [otlp]
          exporters: [routing]
        traces/dev:
          receivers: [routing]
          exporters: [otlp/dev]
        traces/prod:
          receivers: [routing]
          exporters: [otlp/prod]
# ...

1
コネクターのルーティングテーブル。
2
OTTL ステートメントとして記述されたルーティング条件。
3
一致するテレメトリーデータをルーティングするための宛先パイプライン。
4
どのルーティング条件も満たさないテレメトリーデータをルーティングするための宛先パイプライン。
5
エラー処理モード: propagate 値は、エラーをログに記録し、ペイロードをドロップするためのものです。ignore 値は、条件を無視して次の条件との一致を試行するためのものです。silent 値は ignore と同じですが、エラーがログに記録されません。デフォルトは propagate です。
6
true に設定すると、ルーティング条件が満たされた最初のパイプラインにのみペイロードがルーティングされます。デフォルトは false です。

3.5.3. Forward Connector

Forward Connector は、同じタイプの 2 つのパイプラインを結合します。

重要

Forward Connector はテクノロジープレビューのみの機能です。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品のサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではないことがあります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビュー機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行い、フィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

Forward Connector が有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

# ...
  config:
    receivers:
      otlp:
        protocols:
          grpc:
      jaeger:
        protocols:
          grpc:
    processors:
      batch:
    exporters:
      otlp:
        endpoint: tempo-simplest-distributor:4317
        tls:
          insecure: true
    connectors:
      forward: {}
    service:
      pipelines:
        traces/regiona:
          receivers: [otlp]
          processors: []
          exporters: [forward]
        traces/regionb:
          receivers: [jaeger]
          processors: []
          exporters: [forward]
        traces:
          receivers: [forward]
          processors: [batch]
          exporters: [otlp]
# ...

3.5.4. Spanmetrics Connector

Spanmetrics Connector は、スパンデータから Request, Error, and Duration (R.E.D) OpenTelemetry メトリクスを集計します。

Spanmetrics Collector が有効になっている OpenTelemetry Collector カスタムリソース

# ...
  config:
    connectors:
      spanmetrics:
        metrics_flush_interval: 15s 1
    service:
      pipelines:
        traces:
          exporters: [spanmetrics]
        metrics:
          receivers: [spanmetrics]
# ...

1
生成されたメトリクスのフラッシュ間隔を定義します。デフォルトは 15s です。

3.5.5. 関連情報

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