第5章 Windows コンテナーワークロードの有効化
Windows ワークロードをクラスターに追加する前に、OpenShift Container Platform OperatorHub で利用可能な Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールする必要があります。WMCO は、クラスター上で Windows ワークロードをデプロイし、管理するプロセスをオーケストレーションします。
デュアル NIC は、WMCO が管理する Windows インスタンスではサポートされていません。
前提条件
-
cluster-admin
パーミッションを持つアカウントを使用して OpenShift Container Platform クラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。 -
installer-provisioned infrastructure を使用してクラスターをインストールしたか、
install-config.yaml
ファイルにplatform: none
フィールドを設定した user-provisioned infrastructure を使用してインストールした場合。 - クラスターに OVN-Kubernetes を使用してハイブリッドネットワークを設定している。詳細は、ハイブリッドネットワークの設定 を参照してください。
- OpenShift Container Platform クラスター (バージョン 4.6.8 以降) を実行している。
WMCO によってデプロイされる Windows インスタンスは、containerd コンテナーランタイムで設定されます。WMCO がランタイムをインストールして管理するため、ノードに containerd を手動でインストールしないことを推奨します。
関連情報
- Windows Machine Config Operator の全前提条件については、Windows Machine Config Operator の 前提条件 を参照してください。
5.1. Windows Machine Config Operator のインストール
Web コンソールまたは OpenShift CLI (oc
) のいずれかを使用して Windows Machine Config Operator をインストールできます。
- WMCO はワークロードのプロキシー接続を介してトラフィックをルーティングできないため、クラスター全体のプロキシー を使用するクラスターではサポートされません。
-
Windows オペレーティングシステム内の制限により、クラス E の
clusterNetwork
CIDR アドレス (240.0.0.0
など) は Windows ノードと互換性がありません。
5.1.1. Web コンソールを使用した Windows Machine Config Operator のインストール
OpenShift Container Platform Web コンソールを使用して Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールすることができます。
デュアル NIC は、WMCO が管理する Windows インスタンスではサポートされていません。
手順
-
OpenShift Container Platform Web コンソールの Administrator パースペクティブから、Operators
OperatorHub ページに移動します。 -
Filter by keyword ボックスを使用して、カタログで
Windows Machine Config Operator
を検索します。Windows Machine Config Operator タイルをクリックします。 - Operator に関する情報を確認してから、Install をクリックします。
Install Operator ページで以下を行います。
- Update Channel として stable チャネルを選択します。stable チャネルを使用すると、WMCO の最新の安定したリリースをインストールできます。
- WMCO は単一の namespace でのみ利用できるようにする必要があるため、インストールモード は事前に設定されます。
-
WMCO の Installed Namespace を選択します。デフォルトの Operator の推奨される namespace は
openshift-windows-machine-config-operator
です。 - Enable Operator recommended cluster monitoring on the Namespace チェックボックスをクリックし、WMCO についてクラスターのモニタリングを有効にします。
Approval Strategy を選択します。
- Automatic ストラテジーにより、Operator Lifecycle Manager (OLM) は新規バージョンが利用可能になると Operator を自動的に更新できます。
- Manual ストラテジーには、Operator の更新を承認するための適切な認証情報を持つユーザーが必要です。
Install をクリックします。WMCO が Installed Operators ページにリスト表示されます。
注記WMCO は、
openshift-windows-machine-config-operator
などのように、定義した namespace に自動的にインストールされます。- Status に Succeeded が表示されていることを検証し、WMCO のインストールが正常に行われたことを確認します。
5.1.2. CLI を使用した Windows Machine Config Operator のインストール
OpenShift CLI (oc
) を使用して、Windows Machine Config Operator (WMCO) をインストールできます。
デュアル NIC は、WMCO が管理する Windows インスタンスではサポートされていません。
手順
WMCO の namespace を作成します。
WMCO の
Namespace
オブジェクト YAML ファイルを作成します。例:wmco-namespace.yaml
apiVersion: v1 kind: Namespace metadata: name: openshift-windows-machine-config-operator 1 labels: openshift.io/cluster-monitoring: "true" 2
namespace を作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f wmco-namespace.yaml
WMCO の Operator グループを作成します。
OperatorGroup
オブジェクト YAML ファイルを作成します。例:wmco-og.yaml
apiVersion: operators.coreos.com/v1 kind: OperatorGroup metadata: name: windows-machine-config-operator namespace: openshift-windows-machine-config-operator spec: targetNamespaces: - openshift-windows-machine-config-operator
Operator グループを作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f wmco-og.yaml
namespace を WMCO にサブスクライブします。
Subscription
オブジェクト YAML ファイルを作成します。例:wmco-sub.yaml
apiVersion: operators.coreos.com/v1alpha1 kind: Subscription metadata: name: windows-machine-config-operator namespace: openshift-windows-machine-config-operator spec: channel: "stable" 1 installPlanApproval: "Automatic" 2 name: "windows-machine-config-operator" source: "redhat-operators" 3 sourceNamespace: "openshift-marketplace" 4
- 1
stable
をチャネルとして指定します。- 2
- 承認ストラテジーを設定します。
Automatic
またはManual
を設定できます。 - 3
windows-machine-config-operator
パッケージマニフェストが含まれる、redhat-operators
カタログソースを指定します。OpenShift Container Platform が、非接続クラスターとも呼ばれる制限されたネットワークにインストールされている場合、Operator LifeCycle Manager (OLM) の設定時に作成したCatalogSource
オブジェクトの名前を指定します。- 4
- カタログソースの namespace。デフォルトの OperatorHub カタログソースには
openshift-marketplace
を使用します。
サブスクリプションを作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
以下に例を示します。
$ oc create -f wmco-sub.yaml
WMCO が
openshift-windows-machine-config-operator
にインストールされるようになりました。
WMCO インストールを確認します。
$ oc get csv -n openshift-windows-machine-config-operator
出力例
NAME DISPLAY VERSION REPLACES PHASE windows-machine-config-operator.2.0.0 Windows Machine Config Operator 2.0.0 Succeeded