第17章 ワークロードの分割


重要

ワークロードの分割はテクノロジープレビュー機能としてのみ使用できます。テクノロジープレビュー機能は、Red Hat 製品サポートのサービスレベルアグリーメント (SLA) の対象外であり、機能的に完全ではない場合があります。Red Hat は、実稼働環境でこれらを使用することを推奨していません。テクノロジープレビューの機能は、最新の製品機能をいち早く提供して、開発段階で機能のテストを行いフィードバックを提供していただくことを目的としています。

Red Hat のテクノロジープレビュー機能のサポート範囲に関する詳細は、テクノロジープレビュー機能のサポート範囲 を参照してください。

リソースに制約のある環境では、ワークロードの分割を使用して、OpenShift Container Platform サービス、クラスター管理ワークロード、インフラストラクチャー Pod を分離し、予約済みの CPU セットで実行できます。

クラスター管理に必要な予約済み CPU の最小数は、4 つの CPU ハイパースレッド (HT) です。ワークロード分割では、クラスター管理ワークロードパーティションに含めるために、一連のクラスター管理 Pod と一連の一般的なアドオン Operator に注釈を付けます。これらの Pod は、最低限のサイズの CPU 設定内で正常に動作します。最小クラスター管理 Pod のセット外の追加の Operator またはワークロードでは、追加の CPU をワークロードパーティションに追加する必要があります。

ワークロード分割は、標準の Kubernetes スケジューリング機能を使用して、ユーザーワークロードをプラットフォームワークロードから分離します。

ワークロードの分割には次の変更が必要です。

  1. install-config.yaml ファイルに、cpuPartitioningMode を追加フィールドとして追加します。

    apiVersion: v1
    baseDomain: devcluster.openshift.com
    cpuPartitioningMode: AllNodes 1
    compute:
      - architecture: amd64
        hyperthreading: Enabled
        name: worker
        platform: {}
        replicas: 3
    controlPlane:
      architecture: amd64
      hyperthreading: Enabled
      name: master
      platform: {}
      replicas: 3
    1
    インストール時に CPU のパーティション設定用クラスターをセットアップします。デフォルト値は None です。
    注記

    ワークロードの分割は、クラスターのインストール中にのみ有効にできます。インストール後にワークロードパーティショニングを無効にすることはできません。

  2. パフォーマンスプロファイルで、isolated および reserved CPU を指定します。

    推奨されるパフォーマンスプロファイル設定

    apiVersion: performance.openshift.io/v2
    kind: PerformanceProfile
    metadata:
      name: openshift-node-performance-profile
    spec:
      additionalKernelArgs:
      - "rcupdate.rcu_normal_after_boot=0"
      - "efi=runtime"
      - "module_blacklist=irdma"
      cpu:
        isolated: 2-51,54-103
        reserved: 0-1,52-53
      hugepages:
        defaultHugepagesSize: 1G
        pages:
          - count: 32
            size: 1G
            node: 0
      machineConfigPoolSelector:
        pools.operator.machineconfiguration.openshift.io/master: ""
      nodeSelector:
        node-role.kubernetes.io/master: ''
      numa:
        topologyPolicy: "restricted"
      realTimeKernel:
        enabled: true
      workloadHints:
        realTime: true
        highPowerConsumption: false
        perPodPowerManagement: false

    表17.1 シングルノード OpenShift クラスターの PerformanceProfile CR オプション
    PerformanceProfile CR フィールド説明

    metadata.name

    name が、関連する GitOps ZTP カスタムリソース (CR) に設定されている次のフィールドと一致していることを確認してください。

    • TunedPerformancePatch.yamlinclude=openshift-node-performance-${PerformanceProfile.metadata.name}
    • validatorCRs/informDuValidator.yamlname: 50-performance-${PerformanceProfile.metadata.name}

    spec.additionalKernelArgs

    "efi=runtime" は、クラスターホストの UEFI セキュアブートを設定します。

    spec.cpu.isolated

    分離された CPU を設定します。すべてのハイパースレッディングペアが一致していることを確認します。

    重要

    予約済みおよび分離された CPU プールは重複してはならず、いずれも使用可能なすべてのコア全体にわたる必要があります。考慮されていない CPU コアは、システムで未定義の動作を引き起こします。

    spec.cpu.reserved

    予約済みの CPU を設定します。ワークロードの分割が有効になっている場合、システムプロセス、カーネルスレッド、およびシステムコンテナースレッドは、これらの CPU に制限されます。分離されていないすべての CPU を予約する必要があります。

    spec.hugepages.pages

    • huge page の数 (count) を設定します。
    • huge page のサイズ (size) を設定します。
    • nodehugepage が割り当てられた NUMA ノード (node) に設定します。

    spec.realTimeKernel

    リアルタイムカーネルを使用するには、enabledtrue に設定します。

    spec.workloadHints

    workloadHints を使用して、各種ワークロードの最上位フラグのセットを定義します。この例では、クラスターが低レイテンシーかつ高パフォーマンスになるように設定されています。

ワークロードパーティショニングにより、プラットフォーム Pod に拡張された Management.workload.openshift.io/cores リソースタイプが導入されます。kubelet は、対応するリソース内のプールに割り当てられた Pod でリソースと CPU リクエストをアドバタイズします。ワークロードの分割が有効になっている場合、スケジューラーは management.workload.openshift.io/cores リソースにより、デフォルトの cpuset だけでなく、ホストの cpushares 容量に基づいて Pod を適切に割り当てることができます。

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