第12章 コントロールプレーンマシンの管理


12.1. コントロールプレーンマシンセットについて

コントロールプレーンマシンセットを使用すると、OpenShift Container Platform クラスター内のコントロールプレーンマシンリソースの管理を自動化できます。

重要

コントロールプレーンマシンセットはコンピューティングマシンを管理できず、コンピューティングマシンセットはコントロールプレーンマシンを管理できません。

コントロールプレーンマシンセットは、コンピューティングマシンセットがコンピューティングマシンに提供するのと同様の管理機能をコントロールプレーンマシンに提供します。ただし、これら 2 種類のマシンセットは、Machine API 内で定義された別々のカスタムリソースであり、アーキテクチャーと機能にいくつかの基本的な違いがあります。

12.1.1. Control Plane Machine Set Operator の概要

Control Plane Machine Set Operator は、ControlPlaneMachineSet カスタムリソース (CR) を使用して、OpenShift Container Platform クラスター内のコントロールプレーンマシンリソースの管理を自動化します。

クラスターコントロールプレーンマシンセットの状態が Active に設定されている場合、Operator は、指定された設定を持つ正しい数のコントロールプレーンマシンがクラスターにあることを確認します。これにより、劣化したコントロールプレーンマシンの自動交換と、コントロールプレーンへの変更のロールアウトが可能になります。

クラスターにあるコントロールプレーンマシンセットは 1 つだけであり、Operator は openshift-machine-api namespace のオブジェクトのみを管理します。

12.1.2. Control Plane Machine Set Operator の制限事項

Control Plane Machine Set Operator には、次の制限があります。

  • Amazon Web Services (AWS)、Google クラウドプラットフォーム (GCP)、Microsoft Azure、および VMware vSphere クラスターのみがサポートされています。
  • コントロールプレーンノードを表す既存のマシンを持たないクラスターは、コントロールプレーンマシンセットを使用することも、インストール後にコントロールプレーンマシンセットの使用を有効にすることもできません。通常、既存のコントロールプレーンマシンは、インストールプログラムによってプロビジョニングされたインフラストラクチャーを使用してクラスターがインストールされた場合にのみ存在します。

    クラスターに必要な既存のコントロールプレーンマシンがあるかどうかを確認するには、管理者権限を持つユーザーとして次のコマンドを実行します。

    $ oc get machine \
      -n openshift-machine-api \
      -l machine.openshift.io/cluster-api-machine-role=master

    既存のコントロールプレーンマシンを示す出力例

    NAME                    PHASE     TYPE         REGION      ZONE         AGE
    <infrastructure_id>-master-0   Running   m6i.xlarge   us-west-1   us-west-1a   5h19m
    <infrastructure_id>-master-1   Running   m6i.xlarge   us-west-1   us-west-1b   5h19m
    <infrastructure_id>-master-2   Running   m6i.xlarge   us-west-1   us-west-1a   5h19m

    既存のコントロールプレーンマシンが欠落している出力例

    No resources found in openshift-machine-api namespace.

  • Operator は Machine API Operator が動作している必要があるため、手動でプロビジョニングされたマシンを含むクラスターではサポートされていません。アクティブに生成された ControlPlaneMachineSet カスタムリソース (CR) を作成するプラットフォーム用に手動でプロビジョニングされたマシンを使用して、OpenShift Container Platform クラスターをインストールする場合は、インストールプロセスの指示に従って、コントロールプレーンマシンセットを定義する Kubernetes マニフェストファイルを削除する必要があります。
  • 3 つのコントロールプレーンマシンを持つクラスターのみがサポートされます。
  • コントロールプレーンの水平スケーリングはサポートされていません。
  • Azure コントロールプレーンマシンをエフェメラル OS ディスクにデプロイすると、データ損失のリスクが高まるため、サポートされていません。
  • コントロールプレーンマシンを AWS スポットインスタンス、GCP プリエンプティブル VM、または Azure スポット VM としてデプロイすることはサポートされていません。

    重要

    コントロールプレーンマシンを AWS スポットインスタンス、GCP プリエンプティブル VM、または Azure スポット VM としてデプロイしようとすると、クラスターが etcd クォーラムを失う可能性があります。すべてのコントロールプレーンマシンが同時に失われたクラスターは回復できません。

  • インストール中またはインストール前にコントロールプレーンマシンセットを変更することはサポートされていません。インストール後にのみ、コントロールプレーンマシンセットに変更を加える必要があります。

12.1.3. 関連情報

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.