7.11.2.3. MAC アドレスを指定した PXE ブート


まず、管理者は PXE ネットワークの NetworkAttachmentDefinition オブジェクトを作成し、ネットワーク経由でクライアントを起動できます。次に、仮想マシンインスタンスの設定ファイルで NetworkAttachmentDefinition を参照して仮想マシンインスタンスを起動します。また PXE サーバーで必要な場合には、仮想マシンインスタンスの設定ファイルで MAC アドレスを指定することもできます。

前提条件

  • Linux ブリッジが接続されていること。
  • PXE サーバーがブリッジとして同じ VLAN に接続されていること。

手順

  1. クラスターに PXE ネットワークを設定します。

    1. PXE ネットワーク pxe-net-conf の NetworkAttachmentDefinition ファイルを作成します。

      apiVersion: "k8s.cni.cncf.io/v1"
      kind: NetworkAttachmentDefinition
      metadata:
        name: pxe-net-conf
      spec:
        config: '{
          "cniVersion": "0.3.1",
          "name": "pxe-net-conf",
          "plugins": [
            {
              "type": "cnv-bridge",
              "bridge": "br1",
              "vlan": 1 1
            },
            {
              "type": "cnv-tuning" 2
            }
          ]
        }'
      1
      オプション: VLAN タグ。
      2
      cnv-tuning プラグインは、カスタム MAC アドレスのサポートを提供します。
      注記

      仮想マシンインスタンスは、必要な VLAN のアクセスポートでブリッジ br1 に割り当てられます。

  2. 直前の手順で作成したファイルを使用して NetworkAttachmentDefinition オブジェクトを作成します。

    $ oc create -f pxe-net-conf.yaml
  3. 仮想マシンインスタンス設定ファイルを、インターフェイスおよびネットワークの詳細を含めるように編集します。

    1. PXE サーバーで必要な場合には、ネットワークおよび MAC アドレスを指定します。MAC アドレスが指定されていない場合、値は自動的に割り当てられます。ただし、この時点で自動的に割り当てられる MAC アドレスは永続しないことに注意してください。

      bootOrder1 に設定されており、インターフェイスが最初に起動することを確認します。この例では、インターフェイスは <pxe-net> というネットワークに接続されています。

      interfaces:
      - masquerade: {}
        name: default
      - bridge: {}
        name: pxe-net
        macAddress: de:00:00:00:00:de
        bootOrder: 1
      注記

      複数のインターフェイスおよびディスクのブートの順序はグローバル順序になります。

    2. オペレーティングシステムのプロビジョニング後に起動が適切に実行されるよう、ブートデバイス番号をディスクに割り当てます。

      ディスク bootOrder の値を 2 に設定します。

      devices:
        disks:
        - disk:
            bus: virtio
          name: containerdisk
          bootOrder: 2
    3. 直前に作成された NetworkAttachmentDefinition に接続されるネットワークを指定します。このシナリオでは、<pxe-net><pxe-net-conf> という NetworkAttachmentDefinition に接続されます。

      networks:
      - name: default
        pod: {}
      - name: pxe-net
        multus:
          networkName: pxe-net-conf
  4. 仮想マシンインスタンスを作成します。

    $ oc create -f vmi-pxe-boot.yaml

出力例

  virtualmachineinstance.kubevirt.io "vmi-pxe-boot" created

  1. 仮想マシンインスタンスの実行を待機します。

    $ oc get vmi vmi-pxe-boot -o yaml | grep -i phase
      phase: Running
  2. VNC を使用して仮想マシンインスタンスを表示します。

    $ virtctl vnc vmi-pxe-boot
  3. ブート画面で、PXE ブートが正常に実行されていることを確認します。
  4. 仮想マシンインスタンスにログインします。

    $ virtctl console vmi-pxe-boot
  5. 仮想マシンのインターフェイスおよび MAC アドレスを確認し、ブリッジに接続されたインターフェイスに MAC アドレスが指定されていることを確認します。この場合、PXE ブートには IP アドレスなしに eth1 を使用しています。他のインターフェイス eth0 は OpenShift Container Platform から IP アドレスを取得しています。

    $ ip addr

出力例

...
3. eth1: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN group default qlen 1000
   link/ether de:00:00:00:00:de brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

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