This documentation is for a release that is no longer maintained
See documentation for the latest supported version 3 or the latest supported version 4.4.7. テイントおよび容認 (Toleration)
テイントおよび容認について理解し、これらを使用します。
4.7.1. テイントおよび容認 (Toleration) について リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
テイント により、ノードは Pod に一致する 容認 がない場合に Pod のスケジュールを拒否することができます。
テイントは Node 仕様 (NodeSpec) でノードに適用され、容認は Pod 仕様 (PodSpec) で Pod に適用されます。テイントをノードに適用する場合、スケジューラーは Pod がテイントを容認しない限り、Pod をそのノードに配置することができません。
ノード仕様のテイントの例
Pod 仕様での容認の例
テイントおよび容認は、key、value、および effect で設定されています。
| パラメーター | 説明 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
| effect は以下のいずれかにすることができます。
| ||||||
|
|
|
NoScheduleテイントをコントロールプレーンノード (別名マスターノード) に追加する場合、ノードには、デフォルトで追加されるnode-role.kubernetes.io/master=:NoScheduleテイントが必要です。以下に例を示します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
容認はテイントと一致します。
operatorパラメーターがEqualに設定されている場合:-
keyパラメーターは同じになります。 -
valueパラメーターは同じになります。 -
effectパラメーターは同じになります。
-
operatorパラメーターがExistsに設定されている場合:-
keyパラメーターは同じになります。 -
effectパラメーターは同じになります。
-
以下のテイントは OpenShift Container Platform に組み込まれています。
-
node.kubernetes.io/not-ready: ノードは準備状態にありません。これはノード条件Ready=Falseに対応します。 -
node.kubernetes.io/unreachable: ノードはノードコントローラーから到達不能です。これはノード条件Ready=Unknownに対応します。 -
node.kubernetes.io/memory-pressure: ノードにはメモリー不足の問題が発生しています。これはノード条件MemoryPressure=Trueに対応します。 -
node.kubernetes.io/disk-pressure: ノードにはディスク不足の問題が発生しています。これはノード条件DiskPressure=Trueに対応します。 -
node.kubernetes.io/network-unavailable: ノードのネットワークは使用できません。 -
node.kubernetes.io/unschedulable: ノードはスケジュールが行えません。 -
node.cloudprovider.kubernetes.io/uninitialized: ノードコントローラーが外部のクラウドプロバイダーを使って起動すると、このテイントはノード上に設定され、使用不可能とマークされます。cloud-controller-manager のコントローラーがこのノードを初期化した後に、kubelet がこのテイントを削除します。 node.kubernetes.io/pid-pressure: ノードが pid 不足の状態です。これはノード条件PIDPressure=Trueに対応します。重要OpenShift Container Platform では、デフォルトの pid.available
evictionHardは設定されません。
4.7.1.1. Pod のエビクションを遅延させる容認期間 (秒数) の使用方法 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Pod 仕様または MachineSet に tolerationSeconds パラメーターを指定して、Pod がエビクションされる前にノードにバインドされる期間を指定できます。effect が NoExecute のテイントがノードに追加される場合、テイントを容認する Pod に tolerationSeconds パラメーターがある場合、Pod は期限切れになるまでエビクトされません。
出力例
ここで、この Pod が実行中であるものの、一致する容認がない場合、Pod は 3,600 秒間バインドされたままとなり、その後にエビクトされます。テイントが期限前に削除される場合、Pod はエビクトされません。
4.7.1.2. 複数のテイントの使用方法 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
複数のテイントを同じノードに、複数の容認を同じ Pod に配置することができます。OpenShift Container Platform は複数のテイントと容認を以下のように処理します。
- Pod に一致する容認のあるテイントを処理します。
残りの一致しないテイントは Pod について以下の effect を持ちます。
-
effect が
NoScheduleの一致しないテイントが 1 つ以上ある場合、OpenShift Container Platform は Pod をノードにスケジュールできません。 -
effect が
NoScheduleの一致しないテイントがなく、effect がPreferNoScheduleの一致しない テイントが 1 つ以上ある場合、OpenShift Container Platform は Pod のノードへのスケジュールを試行しません。 effect が
NoExecuteのテイントが 1 つ以上ある場合、OpenShift Container Platform は Pod をノードからエビクトするか (ノードですでに実行中の場合)、または Pod のそのノードへのスケジュールが実行されません (ノードでまだ実行されていない場合)。- テイントを容認しない Pod はすぐにエビクトされます。
-
Podの仕様にtolerationSecondsを指定せずにテイントを容認する Pod は永久にバインドされたままになります。 -
指定された
tolerationSecondsを持つテイントを容認する Pod は指定された期間バインドされます。
-
effect が
以下に例を示します。
以下のテイントをノードに追加します。
oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoSchedule
$ oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoScheduleCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoExecute
$ oc adm taint nodes node1 key1=value1:NoExecuteCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow oc adm taint nodes node1 key2=value2:NoSchedule
$ oc adm taint nodes node1 key2=value2:NoScheduleCopy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Pod には以下の容認があります。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
この場合、3 つ目のテイントに一致する容認がないため、Pod はノードにスケジュールできません。Pod はこのテイントの追加時にノードですでに実行されている場合は実行が継続されます。3 つ目のテイントは 3 つのテイントの中で Pod で容認されない唯一のテイントであるためです。
4.7.1.3. Pod のスケジューリングとノードの状態 (Taint Nodes By Condition) について リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Taint Nodes By Condition (状態別のノードへのテイント) 機能はデフォルトで有効にされており、これはメモリー不足やディスク不足などの状態を報告するノードを自動的にテイントします。ノードが状態を報告すると、その状態が解消するまでテイントが追加されます。テイントに NoSchedule の effect がある場合、ノードが一致する容認を持つまでそのノードに Pod をスケジュールすることはできません。
スケジューラーは、Pod をスケジュールする前に、ノードでこれらのテイントの有無をチェックします。テイントがある場合、Pod は別のノードにスケジュールされます。スケジューラーは実際のノードの状態ではなくテイントをチェックするので、適切な Pod 容認を追加して、スケジューラーがこのようなノードの状態を無視するように設定します。
デーモンセットコントローラーは、以下の容認をすべてのデーモンに自動的に追加し、下位互換性を確保します。
- node.kubernetes.io/memory-pressure
- node.kubernetes.io/disk-pressure
- node.kubernetes.io/unschedulable (1.10 以降)
- node.kubernetes.io/network-unavailable (ホストネットワークのみ)
デーモンセットには任意の容認を追加することも可能です。
コントロールプレーンは、QoS クラスを持つ Pod に node.kubernetes.io/memory-pressure 容認も追加します。これは、Kubernetes が Guaranteed または Burstable QoS クラスで Pod を管理するためです。新しい BestEffort Pod は、影響を受けるノードにスケジュールされません。
4.7.1.4. Pod の状態別エビクションについて (Taint-Based Eviction) リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
Taint-Based Eviction 機能はデフォルトで有効にされており、これは not-ready および unreachable などの特定の状態にあるノードから Pod をエビクトします。ノードがこうした状態のいずれかになると、OpenShift Container Platform はテイントをノードに自動的に追加して、Pod のエビクトおよび別のノードでの再スケジュールを開始します。
Taint Based Eviction には NoExecute の effect があり、そのテイントを容認しない Pod はすぐにエビクトされ、これを容認する Pod はエビクトされません (Pod が tolerationSeconds パラメーターを使用しない場合に限ります)。
tolerationSeconds パラメーターを使用すると、ノード状態が設定されたノードに Pod がどの程度の期間バインドされるかを指定することができます。tolerationSeconds の期間後もこの状態が続くと、テイントはノードに残り続け、一致する容認を持つ Pod はエビクトされます。tolerationSeconds の期間前にこの状態が解消される場合、一致する容認を持つ Pod は削除されません。
値なしで tolerationSeconds パラメーターを使用する場合、Pod は not ready(準備未完了) および unreachable(到達不能) のノードの状態が原因となりエビクトされることはありません。
OpenShift Container Platform は、レートが制限された方法で Pod をエビクトし、マスターがノードからパーティション化される場合などのシナリオで発生する大規模な Pod エビクションを防ぎます。
デフォルトでは、特定のゾーン内のノードの 55% 以上が 異常である場合、ノードライフサイクルコントローラーはそのゾーンの状態を PartialDisruption に変更し、Pod の削除率が低下します。この状態の小さなクラスター (デフォルトでは 50 ノード以下) の場合、このゾーンのノードは汚染されず、排除が停止されます。
詳細については、Kubernetes ドキュメントの Rate limits on eviction を参照してください。
OpenShift Container Platform は、node.kubernetes.io/not-ready および node.kubernetes.io/unreachable の容認を、Pod 設定がいずれかの容認を指定しない限り、自動的に tolerationSeconds=300 に追加します。
- 1
- これらの容認は、ノード状態の問題のいずれかが検出された後、デフォルトの Pod 動作のバインドを 5 分間維持できるようにします。
これらの容認は必要に応じて設定できます。たとえば、アプリケーションに多数のローカル状態がある場合、ネットワークのパーティション化などに伴い、Pod をより長い時間ノードにバインドさせる必要があるかもしれません。 これにより、パーティションを回復させることができ、Pod のエビクションを回避できます。
デーモンセットによって起動する Pod は、tolerationSeconds が指定されない以下のテイントの NoExecute 容認を使用して作成されます。
-
node.kubernetes.io/unreachable -
node.kubernetes.io/not-ready
その結果、デーモンセット Pod は、これらのノードの状態が原因でエビクトされることはありません。
4.7.1.5. すべてのテイントの許容 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
ノードは、operator: "Exists" 容認を key および value パラメーターなしで追加することですべてのテイントを容認するように Pod を設定できます。この容認のある Pod はテイントを持つノードから削除されません。
すべてのテイントを容認するための Pod 仕様