11.3.12. Cluster Network Operator (CNO) の設定
クラスターネットワークの設定は、Cluster Network Operator (CNO) 設定の一部として指定され、cluster
という名前のカスタムリソース (CR) オブジェクトに保存されます。CR は operator.openshift.io
API グループの Network
API のフィールドを指定します。
CNO 設定は、Network.config.openshift.io
API グループの Network
API からクラスターのインストール時に以下のフィールドを継承し、これらのフィールドは変更できません。
clusterNetwork
- Pod IP アドレスの割り当てに使用する IP アドレスプール。
serviceNetwork
- サービスの IP アドレスプール。
defaultNetwork.type
- OpenShift SDN または OVN-Kubernetes などのクラスターネットワークプロバイダー。
defaultNetwork
オブジェクトのフィールドを cluster
という名前の CNO オブジェクトに設定することにより、クラスターのクラスターネットワークプロバイダー設定を指定できます。
11.3.12.1. Cluster Network Operator 設定オブジェクト
Cluster Network Operator (CNO) のフィールドは以下の表で説明されています。
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
|
CNO オブジェクトの名前。この名前は常に |
|
| Pod ID アドレスの割り当て、サブネット接頭辞の長さのクラスター内の個別ノードへの割り当てに使用される IP アドレスのブロックを指定する一覧です。以下に例を示します。 spec: clusterNetwork: - cidr: 10.128.0.0/19 hostPrefix: 23 - cidr: 10.128.32.0/19 hostPrefix: 23
この値は読み取り専用であり、 |
|
| サービスの IP アドレスのブロック。OpenShift SDN および OVN-Kubernetes Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーは、サービスネットワークの単一 IP アドレスブロックのみをサポートします。以下に例を示します。 spec: serviceNetwork: - 172.30.0.0/14
この値は読み取り専用であり、 |
|
| クラスターネットワークの Container Network Interface (CNI) ネットワークプロバイダーを設定します。 |
|
| このオブジェクトのフィールドは、kube-proxy 設定を指定します。OVN-Kubernetes クラスターネットワークプロバイダーを使用している場合、kube-proxy 設定は機能しません。 |
defaultNetwork オブジェクト設定
defaultNetwork
オブジェクトの値は、以下の表で定義されます。
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
|
注記 OpenShift Container Platform はデフォルトで、OpenShift SDN Container Network Interface (CNI) クラスターネットワークプロバイダーを使用します。 |
|
| このオブジェクトは OpenShift SDN クラスターネットワークプロバイダーにのみ有効です。 |
|
| このオブジェクトは OVN-Kubernetes クラスターネットワークプロバイダーにのみ有効です。 |
OpenShift SDN CNI クラスターネットワークプロバイダーの設定
以下の表は、OpenShift SDN Container Network Interface (CNI) クラスターネットワークプロバイダーの設定フィールドについて説明しています。
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
|
OpenShift SDN のネットワーク分離モードを設定します。デフォルト値は
|
|
| VXLAN オーバーレイネットワークの最大転送単位 (MTU)。これは、プライマリーネットワークインターフェイスの MTU に基づいて自動的に検出されます。通常、検出された MTU を上書きする必要はありません。 自動検出した値が予想される値ではない場合は、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU が正しいことを確認します。このオプションを使用して、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU 値を変更することはできません。
クラスターで異なるノードに異なる MTU 値が必要な場合、この値をクラスター内の最小の MTU 値よりも この値は、クラスターのインストール後は変更できません。 |
|
|
すべての VXLAN パケットに使用するポート。デフォルト値は 別の VXLAN ネットワークの一部である既存ノードと共に仮想化環境で実行している場合は、これを変更する必要がある可能性があります。たとえば、OpenShift SDN オーバーレイを VMware NSX-T 上で実行する場合は、両方の SDN が同じデフォルトの VXLAN ポート番号を使用するため、VXLAN の別のポートを選択する必要があります。
Amazon Web Services (AWS) では、VXLAN にポート |
OpenShift SDN 設定の例
defaultNetwork: type: OpenShiftSDN openshiftSDNConfig: mode: NetworkPolicy mtu: 1450 vxlanPort: 4789
OVN-Kubernetes CNI クラスターネットワークプロバイダーの設定
以下の表は OVN-Kubernetes CNI クラスターネットワークプロバイダーの設定フィールドについて説明しています。
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
| Geneve (Generic Network Virtualization Encapsulation) オーバーレイネットワークの MTU (maximum transmission unit)。これは、プライマリーネットワークインターフェイスの MTU に基づいて自動的に検出されます。通常、検出された MTU を上書きする必要はありません。 自動検出した値が予想される値ではない場合は、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU が正しいことを確認します。このオプションを使用して、ノード上のプライマリーネットワークインターフェイスの MTU 値を変更することはできません。
クラスターで異なるノードに異なる MTU 値が必要な場合、この値をクラスター内の最小の MTU 値よりも この値は、クラスターのインストール後は変更できません。 |
|
|
すべての Geneve パケットに使用するポート。デフォルト値は |
OVN-Kubernetes 設定の例
defaultNetwork: type: OVNKubernetes ovnKubernetesConfig: mtu: 1400 genevePort: 6081
kubeProxyConfig オブジェクト設定
kubeProxyConfig
オブジェクトの値は以下の表で定義されます。
フィールド | タイプ | 説明 |
---|---|---|
|
|
注記
OpenShift Container Platform 4.3 以降で強化されたパフォーマンスの向上により、 |
|
|
kubeProxyConfig: proxyArguments: iptables-min-sync-period: - 0s |