3.7.2.2. ユーザー定義のアウトバウンドルーティング
OpenShift Container Platform では、クラスターがインターネットに接続するために独自のアウトバウンドルーティングを選択できます。これにより、パブリック IP アドレスおよびパブリックロードバランサーの作成を省略できます。
クラスターをインストールする前に、install-config.yaml
ファイルのパラメーターを変更してユーザー定義のルーティングを設定できます。クラスターのインストール時にアウトバウンドルーティングを使用するには、既存の VNet が必要です。インストールプログラムはこれを設定しません。
クラスターをユーザー定義のルーティングを使用するように設定する際に、インストールプログラムは以下のリソースを作成しません。
- インターネットにアクセスするためのアウトバウンドルール。
- パブリックロードバランサーのパブリック IP。
- アウトバウンド要求のパブリックロードバランサーにクラスターマシンを追加する Kubernetes Service オブジェクト。
ユーザー定義のルーティングを設定する前に、以下の項目が利用可能であることを確認する必要があります。
- 内部レジストリーミラーを使用しない場合は、コンテナーイメージのプルにインターネットへの Egress を使用できます。
- クラスターは Azure API にアクセスできます。
- 各種の allowlist エンドポイントが設定されます。これらのエンドポイントについては、ファイアウォールの設定セクションで参照できます。
ユーザー定義のルーティングを使用したインターネットアクセスでサポートされる既存のネットワーク設定がいくつかあります。
ネットワークアドレス変換のあるプライベートクラスター
Azure VNET NAT (ネットワークアドレス変換) を使用して、クラスター内のサブネットのアウトバウンドインターネットアクセスを提供できます。設定手順については、Azure ドキュメントの Create a NAT gateway using Azure CLI を参照してください。
Azure NAT およびユーザー定義のルーティングが設定された VNet 設定を使用する場合、パブリックエンドポイントのないプライベートクラスターを作成できます。
Azure ファイアウォールのあるプライベートクラスター
Azure ファイアウォールを使用して、クラスターのインストールに使用される VNet のアウトバウンドルーティングを提供できます。Azure ドキュメントで Azure ファイアウォールのあるユーザー定義のルーティングを提供する方法 について確認することができます。
Azure ファイアウォールおよびユーザー定義のルーティングが設定された VNet 設定を使用する場合、パブリックエンドポイントのないプライベートクラスターを作成できます。
プロキシー設定のあるプライベートクラスター
ユーザー定義のルーティングと共にプロキシーを使用し、インターネットへの egress を許可することができます。クラスター Operator がプロキシーを使用して Azure API にアクセスしないようにする必要があります。Operator はプロキシー外から Azure API にアクセスできる必要があります。
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が Azure によって自動的に設定された状態で、サブネットのデフォルトのルートテーブルを使用する場合、すべての Azure API 要求は、IP アドレスがパブリックな場合でも Azure の内部ネットワークでルーティングされます。ネットワークセキュリティーグループのルールが Azure API エンドポイントへの egress を許可している限り、ユーザー定義のルーティングが設定されたプロキシーにより、パブリックエンドポイントのないプライベートクラスターを作成できます。
インターネットアクセスのないプライベートクラスター
Azure API を除く、インターネットへのすべてのアクセスを制限するプライベートネットワークをインストールできます。これは、リリースイメージレジストリーをローカルにミラーリングすることによって実現されます。クラスターは以下にアクセスできる必要があります。
- コンテナーイメージのプルを可能にする内部レジストリーミラー
- Azure API へのアクセス
各種の要件を利用可能な場合、ユーザー定義のルーティングを使用して、パブリックエンドポイントのないプライベートクラスターを作成できます。