9.4.3. Kuryr を使用して OpenShift Container Platform を RHOSP にインストールするためのリソースのガイドライン
Kuryr SDN を使用する場合、Pod、サービス、namespace およびネットワークポリシーは RHOSP クォータのリソースを使用します。これにより、最小要件が増加します。また、Kuryr にはデフォルトインストールに必要な要件以外の追加要件があります。
以下のクォータを使用してデフォルトのクラスターの最小要件を満たすようにします。
リソース | 値 |
---|---|
Floating IP アドレス | 3: LoadBalancer タイプに予想されるサービス数 |
ポート | 1500: Pod ごとに 1 つ必要 |
ルーター | 1 |
サブネット | 250: namespace/プロジェクトごとに 1 つ必要 |
ネットワーク | 250: namespace/プロジェクトごとに 1 つ必要 |
RAM | 112 GB |
vCPU | 28 |
ボリュームストレージ | 275 GB |
インスタンス | 7 |
セキュリティーグループ | 250: サービスおよび NetworkPolicy ごとに 1 つ必要 |
セキュリティーグループルール | 1000 |
ロードバランサー | 100: サービスごとに 1 つ必要 |
ロードバランサーリスナー | 500: サービスで公開されるポートごとに 1 つ必要 |
ロードバランサーノード | 500: サービスで公開されるポートごとに 1 つ必要 |
クラスターは推奨されるリソースよりもリソースが少ない場合にも機能する場合がありますが、その場合のパフォーマンスは保証されません。
RHOSP オブジェクトストレージ (Swift) が利用可能で、swiftoperator
ロールを持つユーザーアカウントによって操作されている場合、これは OpenShift Container Platform イメージレジストリーのデフォルトバックエンドとして使用されます。この場合、ボリュームストレージ要件は 175 GB です。Swift 領域要件は、イメージレジストリーのサイズによって異なります。
OVN Octavia ドライバーではなく Amphora ドライバーで Red Hat OpenStack Platform(RHOSP) バージョン 16 を使用している場合、セキュリティーグループはユーザープロジェクトではなくサービスアカウントに関連付けられます。
リソースを設定する際には、以下の点に注意してください。
- 必要なポート数は Pod 数よりも大きくなる。Kuryr はポートプールを使用して、事前に作成済みのポートを Pod で使用できるようにし、Pod の起動時間を短縮します。
-
各ネットワークポリシーは RHOSP セキュリティーグループにマップされ、
NetworkPolicy
仕様によっては 1 つ以上のルールがセキュリティーグループに追加される。 各サービスは RHOSP ロードバランサーにマップされる。クォータに必要なセキュリティーグループの数を見積もる場合には、この要件を考慮してください。
RHOSP バージョン 15 以前のバージョン、または
ovn-octavia driver
を使用している場合、各ロードバランサーにはユーザープロジェクトと共にセキュリティーグループがあります。クォータはロードバランサーのリソース (VM リソースなど) を考慮しませんが、RHOSP デプロイメントのサイズを決定する際にはこれらのリソースを考慮する必要があります。デフォルトのインストールには 50 を超えるロードバランサーが あり、クラスターはそれらのロードバランサーに対応できる必要があります。
OVN Octavia ドライバーを有効にして RHOSP バージョン 16 を使用している場合は、1 つのロードバランサー仮想マシンのみが生成され、サービスは OVN フロー経由で負荷分散されます。
OpenShift Container Platform デプロイメントは、コントロールプレーンマシン、コンピュートマシン、およびブートストラップマシンで設定されます。
Kuryr SDN を有効にするには、使用する環境が以下の要件を満たしている必要があります。
- RHOSP 13+ を実行します。
- オーバークラウドと Octavia を使用します。
- Neutron トランクポートの拡張を使用します。
-
ML2/OVS Neutron ドライバーが
ovs-hybrid
の代わりに使用れる場合、openvswitch
ファイアウォールドライバーを使用します。
9.4.3.1. クォータの拡大
Kuryr SDN を使用する場合、Pod、サービス、namespace、およびネットワークポリシーが使用する Red Hat OpenStack Platform (RHOSP) リソースに対応するためにクォータを引き上げる必要があります。
手順
以下のコマンドを実行して、プロジェクトのクォータを増やします。
$ sudo openstack quota set --secgroups 250 --secgroup-rules 1000 --ports 1500 --subnets 250 --networks 250 <project>