1.2.2. ネットワーク要件
OpenShift Container Platform のインストーラーでプロビジョニングされるインストールには、デフォルトで複数のネットワーク要件があります。まず、インストーラーでプロビジョニングされるインストールでは、各ベアメタルノードにオペレーティングシステムをプロビジョニングするためのルーティング不可能な provisioning
ネットワークおよびルーティング可能な baremetal
ネットワークを使用します。インストーラーでプロビジョニングされるインストールは ironic-dnsmasq
をデプロイするため、ネットワークではその他の DHCP サーバーを同じブロードキャストドメイン上で実行することはできません。ネットワーク管理者は、OpenShift Container Platform クラスターの各ノードの IP アドレスを予約する必要があります。
ネットワークタイムプロトコル (NTP)
クラスターの各 OpenShift Container Platform ノードは、DHCP を使用して検出可能な Network Time Protocol (NTP) サーバーにアクセスできることが推奨されます。NTP サーバーなしでインストールすることは可能ですが、非同期サーバークロックはエラーを発生させる可能性があります。NTP サーバーを使用すると、この問題を防ぐことができます。
NIC の設定
OpenShift Container Platform は、2 つのネットワークを使用してデプロイします。
-
provisioning
:provisioning
ネットワークは OpenShift Container Platform クラスターの一部である基礎となるオペレーティングシステムを各ノードにプロビジョニングするために使用される オプションの ルーティング不可能なネットワークです。provisioning
ネットワークを使用してデプロイする場合、各ノードの最初の NIC (eth0
またはeno1
など) は、provisioning
ネットワークと対話する 必要があります。 -
baremetal
:baremetal
ネットワークはルーティング可能なネットワークです。provisioning
ネットワークを使用してデプロイする場合、各ノードの 2 つ目の NIC (eth1
またはeno2
など) は、baremetal
ネットワークと対話する 必要があります。provisioning
ネットワークなしでデプロイする場合、baremetal
ネットワークと対話するために各ノードで任意の NIC を使用することができます。
それぞれの NIC は、適切なネットワークに対応する別個の VLAN 上にある必要があります。
DNS サーバーの設定
クライアントは、baremetal
ネットワークで OpenShift Container Platform クラスターにアクセスします。ネットワーク管理者は、正規名の拡張がクラスター名であるサブドメインまたはサブゾーンを設定する必要があります。
<cluster-name>.<domain-name>
以下に例を示します。
test-cluster.example.com
DHCP サーバーを使用するノードの IP アドレスの確保
baremetal
ネットワークの場合、ネットワーク管理者は以下を含む多数の IP アドレスを予約する必要があります。
2 つの仮想 IP アドレス
- API エンドポイントの 1 つの IP アドレス
- ワイルドカード Ingress エンドポイントの 1 つの IP アドレス
- プロビジョナーノードの 1 つの IP アドレス
- 各コントロールプレーン (マスター) ノード 1 つの IP アドレス
- 各ワーカーノードの 1 つの IP アドレス (適用可能な場合)
以下の表は、完全修飾ドメイン名の具体例を示しています。API および Nameserver アドレスは、正式名の拡張子で始まります。コントロールプレーンおよびワーカーノードのホスト名は例であるため、任意のホストの命名規則を使用することができます。
使用法 | ホスト名 | IP |
---|---|---|
API | api.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Ingress LB (アプリケーション) | *.apps.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
プロビジョナーノード | provisioner.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Master-0 | openshift-master-0.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Master-1 | openshift-master-1.<cluster-name>-.<domain> | <ip> |
Master-2 | openshift-master-2.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Worker-0 | openshift-worker-0.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Worker-1 | openshift-worker-1.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
Worker-n | openshift-worker-n.<cluster-name>.<domain> | <ip> |
プロビジョニングネットワークなしの追加要件
インストーラーでプロビジョニングされるすべてのインストールには、baremetal
ネットワークが必要です。baremetal
ネットワークは、外部への外部ネットワークアクセスに使用されるルーティング可能なネットワークです。OpenShift Container Platform クラスターノードに提供される IP アドレスに加えて、provisioning
ネットワークがないインストールには以下が必要です。
-
baremetal
ネットワークからの利用可能な IP アドレスを、install-config.yaml
設定ファイル内のbootstrapProvisioningIP
設定に設定する。 -
baremetal
ネットワークからの利用可能な IP アドレスを、install-config.yaml
設定ファイル内のprovisioningHostIP
設定に設定する。 - RedFish 仮想メディア/iDRAC 仮想メディアを使用した OpenShift Container Platform クラスターのデプロイ
provisioning
ネットワークを使用する場合、bootstrapProvisioningIP
および provisioningHostIP
に追加の IP アドレスを設定する必要はありません。
帯域外管理 IP アドレスのポートアクセス
帯域外管理 IP アドレスは、ノードとは別のネットワーク上にあります。インストール中に帯域外管理がベアメタルノードと通信できるようにするには、帯域外管理 IP アドレスアドレスに TCP6180
ポートへのアクセスを許可する必要があります。