2.5.4. Vertical Pod Autoscaler Operator の使用
VPA カスタムリソース (CR) を作成して、Vertical Pod Autoscaler Operator (VPA) を使用できます。CR は、分析すべき Pod を示し、VPA がそれらの Pod について実行するアクションを判別します。
手順
特定のワークロードオブジェクトの VPA CR を作成するには、以下を実行します。
スケーリングするワークロードオブジェクトがあるプロジェクトに切り替えます。
VPA CR YAML ファイルを作成します。
apiVersion: autoscaling.k8s.io/v1 kind: VerticalPodAutoscaler metadata: name: vpa-recommender spec: targetRef: apiVersion: "apps/v1" kind: Deployment 1 name: frontend 2 updatePolicy: updateMode: "Auto" 3 resourcePolicy: 4 containerPolicies: - containerName: my-opt-sidecar mode: "Off"
- 1
- この VPA が管理するワークロードオブジェクトのタイプ (
Deployment
、StatefulSet
、Job
、DaemonSet
、ReplicaSet
、またはReplicationController
) を指定します。 - 2
- この VPA が管理する既存のワークロードオブジェクトの名前を指定します。
- 3
- VPA モードを指定します。
-
auto
は、コントローラーに関連付けられた Pod に推奨リソースを自動的に適用します。VPA は既存の Pod を終了し、推奨されるリソース制限および要求で新規 Pod を作成します。 -
recreate
は、ワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod に推奨リソースを自動的に適用します。VPA は既存の Pod を終了し、推奨されるリソース制限および要求で新規 Pod を作成します。recreate
モードはほとんど使用されることはありません。リソース要求が変更される際に Pod が再起動されていることを確認する必要がある場合にのみ使用します。 -
initial
は、ワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod が作成される際に、推奨リソースを自動的に適用します。VPA は、新しい推奨リソースを確認する際に Pod を更新しません。 -
off
は、ワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod の推奨リソースのみを生成します。VPA は、新しい推奨リソースを確認する際に Pod を更新しません。また、新規 Pod に推奨事項を適用しません。
-
- 4
- オプション:オプトアウトするコンテナーを指定し、モードを
Off
に設定します。
VPA CR を作成します。
$ oc create -f <file-name>.yaml
しばらくすると、VPA はワークロードオブジェクトに関連付けられた Pod 内のコンテナーのリソース使用状況を確認します。
以下のコマンドを実行して、VPA の推奨事項を表示できます。
$ oc get vpa <vpa-name> --output yaml
出力には、以下のような CPU およびメモリー要求の推奨事項が表示されます。
出力例
... status: ... recommendation: containerRecommendations: - containerName: frontend lowerBound: 1 cpu: 25m memory: 262144k target: 2 cpu: 25m memory: 262144k uncappedTarget: 3 cpu: 25m memory: 262144k upperBound: 4 cpu: 262m memory: "274357142" - containerName: backend lowerBound: cpu: 12m memory: 131072k target: cpu: 12m memory: 131072k uncappedTarget: cpu: 12m memory: 131072k upperBound: cpu: 476m memory: "498558823" ...