5.3.5.2. ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーの DNS 要件


DNS は、名前解決および逆引き名前解決に使用されます。DNS A/AAAA または CNAME レコードは名前解決に使用され、PTR レコードは逆引き名前解決に使用されます。逆引きレコードは、Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) は逆引きレコードを使用してすべてのノードのホスト名を設定するために重要です。さらに、逆引きレコードは、OpenShift Container Platform が動作するために必要な証明書署名要求 (CSR) を生成するために使用されます。

以下の DNS レコードは、ユーザーによってプロビジョニングされるインフラストラクチャーを使用する OpenShift Container Platform クラスターに必要です。各レコードで、 <cluster_name> はクラスター名で、<base_domain> は、install-config.yaml ファイルに指定するクラスターのベースドメインです。完全な DNS レコードは <component>.<cluster_name>.<base_domain>. の形式を取ります。

表5.36 必要な DNS レコード
コンポーネントレコード説明

Kubernetes API

api.<cluster_name>.<base_domain>.

DNS A/AAAA または CNAME レコード、および DNS PTR レコードを、コントロールプレーンマシンのロードバランサーを特定するために追加します。これらのレコードは、クラスター外のクライアントおよびクラスター内のすべてのノードで解決できる必要があります。

api-int.<cluster_name>.<base_domain>.

DNS A/AAAA または CNAME レコード、および DNS PTR レコードを、コントロールプレーンマシンのロードバランサーを特定するために追加します。これらのレコードは、クラスター内のすべてのノードで解決できる必要があります。

重要

API サーバーは、 Kubernetes に記録されるホスト名でワーカーノードを解決できる必要があります。API サーバーがノード名を解決できない場合、プロキシーされる API 呼び出しが失敗し、Pod からログを取得できなくなる可能性があります。

ルート

*.apps.<cluster_name>.<base_domain>.

デフォルトでワーカーノードの Ingress ルーター Pod を実行するマシンをターゲットにするロードバランサーを参照するワイルドカード DNS A/AAAA または CNAME レコードを追加します。これらのレコードは、クラスター外のクライアントおよびクラスター内のすべてのノードで解決できる必要があります。

ブートストラップ

bootstrap.<cluster_name>.<base_domain>.

DNS A/AAAA または CNAME レコードおよび DNS PTR レコードを、ブートストラップマシンを特定するために追加します。これらのレコードは、クラスター内のノードで解決できる必要があります。

マスターホスト

<master><n>.<cluster_name>.<base_domain>.

コントロールプレーンノード (別名マスターノード) の各マシンを識別するための DNS A/AAAA または CNAME レコードと DNS PTR レコード。これらのレコードは、クラスター内のノードで解決できる必要があります。

ワーカーホスト

<worker><n>.<cluster_name>.<base_domain>.

DNS A/AAAA または CNAME レコードおよび DNS PTR レコードを、ワーカーノードの各マシンを特定するために追加します。これらのレコードは、クラスター内のノードで解決できる必要があります。

ヒント

nslookup <hostname> コマンドを使用して、名前解決を確認することができます。dig -x <ip_address> コマンドを使用して、PTR レコードの逆引き名前解決を確認できます。

BIND ゾーンファイルの以下の例は、名前解決の A レコードの例を示しています。この例の目的は、必要なレコードを表示することです。この例では、特定の名前解決サービスを選択するためのアドバイスを提供することを目的としていません。

例5.5 DNS ゾーンデータベースのサンプル

$TTL 1W
@	IN	SOA	ns1.example.com.	root (
			2019070700	; serial
			3H		; refresh (3 hours)
			30M		; retry (30 minutes)
			2W		; expiry (2 weeks)
			1W )		; minimum (1 week)
	IN	NS	ns1.example.com.
	IN	MX 10	smtp.example.com.
;
;
ns1	IN	A	192.168.1.5
smtp	IN	A	192.168.1.5
;
helper	IN	A	192.168.1.5
helper.ocp4	IN	A	192.168.1.5
;
; The api identifies the IP of your load balancer.
api.ocp4		IN	A	192.168.1.5
api-int.ocp4		IN	A	192.168.1.5
;
; The wildcard also identifies the load balancer.
*.apps.ocp4		IN	A	192.168.1.5
;
; Create an entry for the bootstrap host.
bootstrap.ocp4	IN	A	192.168.1.96
;
; Create entries for the master hosts.
master0.ocp4		IN	A	192.168.1.97
master1.ocp4		IN	A	192.168.1.98
master2.ocp4		IN	A	192.168.1.99
;
; Create entries for the worker hosts.
worker0.ocp4		IN	A	192.168.1.11
worker1.ocp4		IN	A	192.168.1.7
;
;EOF

以下の BIND ゾーンファイルの例では、逆引き名前解決の PTR レコードの例を示しています。

例5.6 逆引きレコードの DNS ゾーンデータベースの例

$TTL 1W
@	IN	SOA	ns1.example.com.	root (
			2019070700	; serial
			3H		; refresh (3 hours)
			30M		; retry (30 minutes)
			2W		; expiry (2 weeks)
			1W )		; minimum (1 week)
	IN	NS	ns1.example.com.
;
; The syntax is "last octet" and the host must have an FQDN
; with a trailing dot.
97	IN	PTR	master0.ocp4.example.com.
98	IN	PTR	master1.ocp4.example.com.
99	IN	PTR	master2.ocp4.example.com.
;
96	IN	PTR	bootstrap.ocp4.example.com.
;
5	IN	PTR	api.ocp4.example.com.
5	IN	PTR	api-int.ocp4.example.com.
;
11	IN	PTR	worker0.ocp4.example.com.
7	IN	PTR	worker1.ocp4.example.com.
;
;EOF
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