7.5.6.2. CLI の使用による Machine Config Operator の自動再起動の無効化
Machine Config Operator (MCO) によって加えられる変更から生じる不要な中断を防ぐには、OpenShift CLI (oc) を使用してマシン設定プール (MCP) を変更し、MCO がそのプール内のノードに変更を加えられないようにすることができます。これにより、通常 MCO 更新プロセスの一部として実行される再起動ができなくなります。
MCP を一時停止にすると、MCO が関連付けられたノードに設定変更を適用できなくなります。MCP を一時停止することにより、kube-apiserver-to-kubelet-signer
CA 証明書の自動ローテーションを含め、自動的にローテーションされる証明書が関連付けられたノードにプッシュされないようにします。MCP が kube-apiserver-to-kubelet-signer
CA 証明書の期限が切れ、MCO が証明書を自動的に更新しようとすると、新規証明書が作成されますが、一時停止された MCP のノード全体では適用されません。これにより、oc debug
、oc logs
、oc exec
、oc attach
など、複数の oc
コマンドで問題が発生します。MCP の一時停止は、kube-apiserver-to-kubelet-signer
CA 証明書の有効期限を慎重に考慮して、短期間のみ行う必要があります。
新しい CA 証明書は、インストール日から 292 日後に生成され、その日から 365 日で削除されます。次回の CA 証明書の自動ローテーションを決定するには、Understand CA cert auto renewal in Red Hat OpenShift 4 を参照してください。
前提条件
-
cluster-admin
ロールを持つユーザーとしてクラスターにアクセスできる。 -
OpenShift CLI (
oc
) がインストールされている。
手順
自動 MCO 更新の再起動の一時停止または一時停止を解除するには、以下を実行します。
自動再起動プロセスを一時停止します。
MachineConfigPool
カスタムリソースを、spec.paused
フィールドをtrue
に設定するように更新します。コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":true}}' machineconfigpool/master
ワーカーノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":true}}' machineconfigpool/worker
MCP が一時停止されていることを確認します。
コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc get machineconfigpool/master --template='{{.spec.paused}}'
ワーカーノード
$ oc get machineconfigpool/worker --template='{{.spec.paused}}'
出力例
true
spec.paused
フィールドはtrue
であり、MCP は一時停止されます。MCP に保留中の変更があるかどうかを判別します。
# oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING master rendered-master-33cf0a1254318755d7b48002c597bf91 True False worker rendered-worker-e405a5bdb0db1295acea08bcca33fa60 False False
UPDATED 列が False であり、UPDATING が False の場合は、保留中の変更があります。UPDATED が True であり、UPDATING が False の場合、保留中の変更はありません。この例では、ワーカーノードに保留中の変更があります。コントロールプレーンノード (別名マスターノード) には、保留中の変更はありません。
重要保留中の変更がある場合 (Updated および Updating 列の両方が False の場合)、できるだけ早期に再起動のメンテナーンス期間をスケジュールすることが推奨されます。自動再起動プロセスの一時停止を解除して、最後に再起動してからキューに追加された変更を適用するには、以下の手順に従います。
自動再起動プロセスの一時停止を解除するには、以下を実行します。
MachineConfigPool
カスタムリソースを、spec.paused
フィールドをfalse
に設定するように更新します。コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":false}}' machineconfigpool/master
ワーカーノード
$ oc patch --type=merge --patch='{"spec":{"paused":false}}' machineconfigpool/worker
注記MCP の一時停止を解除すると、MCO は一時停止したすべての変更を適用し、必要に応じて Red Hat Enterprise Linux CoreOS (RHCOS) を再起動します。
MCP の一時停止が解除されていることを確認します。
コントロールプレーン (マスター) ノード
$ oc get machineconfigpool/master --template='{{.spec.paused}}'
ワーカーノード
$ oc get machineconfigpool/worker --template='{{.spec.paused}}'
出力例
false
spec.paused
フィールドはfalse
であり、マシン設定プールの一時停止は解除されます。MCP に保留中の変更があるかどうかを判別します。
$ oc get machineconfigpool
出力例
NAME CONFIG UPDATED UPDATING master rendered-master-546383f80705bd5aeaba93 True False worker rendered-worker-b4c51bb33ccaae6fc4a6a5 False True
MCP が保留中の変更を適用する場合、UPDATED 列は False で、UPDATING 列は True になります。UPDATED が True であり、UPDATING が False の場合、追加の変更は加えられません。直前の例では、MCO はワーカーノードを更新しています。