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1.11.4.4.2. 2.0 ServiceMeshControlPlane の設定

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ServiceMeshControlPlane リソースは Red Hat OpenShift Service Mesh バージョン 2.0 用に変更されました。ServiceMeshControlPlane リソースの v2 バージョンを作成したら、新機能を利用し、デプロイメントを適合させるようにこれを変更します。ServiceMeshControlPlane リソースを変更するため、Red Hat OpenShift Service Mesh 2.0 の仕様および動作に以下の変更を加えることを検討してください。使用する機能の更新情報については、Red Hat OpenShift Service Mesh 2.0 の製品ドキュメントを参照してください。v2 リソースは、Red Hat OpenShift Service Mesh 2.0 インストールに使用する必要があります。

1.11.4.4.2.1. アーキテクチャーの変更

以前のバージョンで使用されるアーキテクチャーのユニットは Istiod によって置き換えられました。2.0 では、Service Mesh コントロールプレーンのコンポーネント Mixer、Pilot、Citadel、Galley、およびサイドカーインジェクター機能が単一のコンポーネントである Istiod に統合されました。

Mixer はコントロールプレーンコンポーネントとしてサポートされなくなりましたが、Mixer ポリシーおよび Telemetry プラグインは Istiod の WASM 拡張でサポートされるようになりました。レガシー Mixer プラグインを統合する必要がある場合は、ポリシーと Telemetry に対して Mixer を有効にすることができます。

シークレット検出サービス (SDS) は、証明書とキーを Istiod からサイドカーコンテナーに直接配信するために使用されます。Red Hat OpenShift Service Mesh バージョン 1.1 では、シークレットはクライアント証明書およびキーを取得するためにプロキシーによって使用される Citadel で生成されました。

1.11.4.4.2.2. アノテーションの変更

v2.0 では、以下のアノテーションに対応しなくなりました。これらのアノテーションのいずれかを使用している場合は、これを v2.0 Service Mesh コントロールプレーンに移行する前にワークロードを更新する必要があります。

  • sidecar.maistra.io/proxyCPULimitsidecar.istio.io/proxyCPULimit に置き換えられました。ワークロードで sidecar.maistra.io アノテーションを使用していた場合は、代わりに sidecar.istio.io を使用するようにこれらのワークロードを変更する必要があります。
  • sidecar.maistra.io/proxyMemoryLimitsidecar.istio.io/proxyMemoryLimit に置き換えられました。
  • sidecar.istio.io/discoveryAddress はサポートされなくなりました。また、デフォルトの検出アドレスが pilot.<control_plane_namespace>.svc:15010 (または mtls が有効にされている場合はポート 15011) から istiod-<smcp_name>.<control_plane_namespace>.svc:15012 に移行しました。
  • ヘルスステータスポートは設定できなくなり、15021 にハードコーディングされています。* カスタムステータスポート (例: status.sidecar.istio.io/port) を定義している場合、ワークロードを v2.0 Service Mesh コントロールプレーンに移行する前にオーバーライドを削除する必要があります。ステータスポートを 0 に設定すると、readiness チェックを依然として無効にできます。
  • Kubernetes シークレットリソースは、サイドカーのクライアント証明書を配信するために使用されなくなりました。証明書は Istiod の SDS サービスを介して配信されるようになりました。マウントされたシークレットに依存している場合、それらは v2.0 Service Mesh コントロールプレーンのワークロードで利用不可になります。
1.11.4.4.2.3. 動作上の変更

Red Hat OpenShift Service Mesh 2.0 の機能の一部は、以前のバージョンの機能とは異なります。

  • ゲートウェイの readiness ポートは 15020 から 15021 に移行しました。
  • ターゲットホストの可視性には、VirtualService と ServiceEntry リソースが含まれます。これには、Sidecar リソースを介して適用される制限が含まれます。
  • 自動の相互 TLS はデフォルトで有効になります。プロキシー間の通信は、実施されているグローバルの PeerAuthentication ポリシーに関係なく、mTLS を使用するように自動的に設定されます。
  • セキュアな接続は、spec.security.controlPlane.mtls 設定に関係なく、プロキシーが Service Mesh コントロールプレーンと通信する際に常に使用されます。spec.security.controlPlane.mtls 設定は、Mixer Telemetry またはポリシーの接続を設定する場合にのみ使用されます。
1.11.4.4.2.4. サポート対象外のリソースの移行情報

Policy (authentication.istio.io/v1alpha1)

Policy リソースは、v2.0 Service Mesh コントロールプレーン、PeerAuthentication および RequestAuthentication で使用するために新規リソースタイプに移行する必要があります。Policy リソースの特定の設定によっては、同じ効果を実現するために複数のリソースを設定しなければならない場合があります。

相互 TLS

相互 TLS は、security.istio.io/v1beta1 PeerAuthentication リソースを使用して実行されます。レガシーの spec.peers.mtls.mode フィールドは、新規リソースの spec.mtls.mode フィールドに直接マップされます。選定基準は、spec.targets[x].name のでのサービス名の指定から spec.selector.matchLabels のラベルセレクターに変更されました。PeerAuthentication では、ラベルは、ターゲット一覧で名前が指定されたサービスのセレクターと一致する必要があります。ポート固有の設定は spec.portLevelMtls にマップされる必要があります。

認証

spec.origins に指定される追加の認証方法は、security.istio.io/v1beta1 RequestAuthentication リソースにマップされる必要があります。spec.selector.matchLabels は PeerAuthentication の同じフィールドに対して同様に設定される必要があります。spec.origins.jwt アイテムからの JWT プリンシパルに固有の設定は、spec.rules アイテムの同様のフィールドにマップされます。

  • Policy で指定される spec.origins[x].jwt.triggerRules は 1 つ以上の security.istio.io/v1beta1 AuthorizationPolicy リソースにマップされる必要があります。spec.selector.labels は、RequestAuthentication の同じフィールドに対して同様に設定される必要があります。
  • spec.origins[x].jwt.triggerRules.excludedPaths は AuthorizationPolicy にマップされる必要があります。ここで、spec.rules[x].to.operation.path エントリーは除外されたパスに一致する状態で spec.action が ALLOW に設定されます。
  • spec.origins[x].jwt.triggerRules.includedPaths は別個の AuthorizationPolicy にマップされる必要があります。ここで、spec.rules[x].to.operation.path エントリーは組み込まれるパスに一致し、specified spec.origins[x].jwt.issuer と一致する spec.rules.[x].from.source.requestPrincipals エントリーが Policy リソースにある状態で、spec.actionALLOW に設定されます。

ServiceMeshPolicy (maistra.io/v1)

ServiceMeshPolicy は、v1 リソースの spec.istio.global.mtls.enabled または v2 リソース設定の spec.security.dataPlane.mtls で Service Mesh コントロールプレーンに自動的に設定されています。v2 コントロールプレーンの場合、機能的に同等の PeerAuthentication リソースがインストール時に作成されます。この機能は、Red Hat OpenShift Service Mesh バージョン 2.0 で非推奨となりました。

RbacConfig, ServiceRole, ServiceRoleBinding (rbac.istio.io/v1alpha1)

これらのリソースは security.istio.io/v1beta1 AuthorizationPolicy リソースに置き換えられました。

RbacConfig の動作をコピーするには、RbacConfig で指定される spec.mode に依存するデフォルトの AuthorizationPolicy を作成する必要があります。

  • spec.modeOFF に設定されている場合、AuthorizationPolicy が要求に適用されない限り、デフォルトのポリシーが ALLOW であるためリソースは必要ありません。
  • spec.mode が ON に設定されている場合、spec: {} を設定します。メッシュ内のすべてのサービスに対して AuthorizationPolicy ポリシーを作成する必要があります。
  • spec.modeON_WITH_INCLUSION に設定されている場合、 spec: {} が組み込まれている各 namespace に指定された状態で AuthorizationPolicy を作成する必要があります。AuthorizationPolicy では、個別のサービスを含めることはサポートされません。ただし、サービスのワークロードに適用される AuthorizationPolicy が作成されるとすぐに、明示的に許可されない他のすべての要求は拒否されます。
  • spec.modeON_WITH_EXCLUSION に設定されている場合、これは AuthorizationPolicy によってサポートされません。グローバル DENY ポリシーを作成できますが、namespace またはワークロードのいずれかに適用できる allow-all ポリシーがないため、メッシュ内のすべてのワークロードに対して AuthorizationPolicy を作成する必要があります。

AuthorizationPolicy には、ServiceRoleBinding が提供する機能と同様の、設定が適用されるセレクターと、ServiceRole が提供する機能と同様の、適用する必要のあるルールの両方の設定が含まれます。

ServiceMeshRbacConfig (maistra.io/v1)

このリソースは、Service Mesh コントロールプレーンの namespace で security.istio.io/v1beta1 AuthorizationPolicy リソースを使用して置き換えられます。このポリシーは、メッシュ内のすべてのワークロードに適用されるデフォルトの認証ポリシーになります。特定の移行の詳細については、上記の RbacConfig を参照してください。

1.11.4.4.2.5. Mixer プラグイン

Mixer コンポーネントは、バージョン 2.0 ではデフォルトで無効にされます。ワークロードで Mixer プラグインを使用する場合は、Mixer コンポーネントを含めるようにバージョン 2.0 ServiceMeshControlPlane を設定する必要があります。

Mixer ポリシーコンポーネントを有効にするには、以下のスニペットを ServiceMeshControlPlane に追加します。

spec:
  policy:
    type: Mixer

Mixer Telemetry コンポーネントを有効にするには、以下のスニペットを ServiceMeshControlPlane に追加します。

spec:
  telemetry:
    type: Mixer

レガシーの Mixer プラグインは、新しい ServiceMeshExtension (maistra.io/v1alpha1) カスタムリソースを使用して WASM に移行し、統合することもできます。

アップストリーム Istio ディストリビューションに含まれるビルトインの WASM フィルターは Red Hat OpenShift Service Mesh 2.0 では利用できません。

1.11.4.4.2.6. 相互 TLS の変更

ワークロード固有の PeerAuthentication ポリシーで mTLS を使用する場合、ワークロードポリシーが namespace/グローバルポリシーと異なる場合にトラフィックを許可するために、対応する DestinationRule が必要になります。

自動 mTLS はデフォルトで有効にされますが、spec.security.dataPlane.automtlsServiceMeshControlPlane リソースで false に設定して無効にできます。auto mTLS を無効にする場合、サービス間の適切な通信のために DestinationRules が必要になる場合があります。たとえば、1 つの namespace について PeerAuthentication を STRICT に設定すると、DestinationRule が namespace のサービスに TLS モードを設定しない限り、他の namespace のサービスがそれらにアクセスできなくなります。

mTLS について詳細は、相互トランスポート層セキュリティー (mTLS) の有効化 を参照してください。

1.11.4.4.2.6.1. その他の mTLS の例

bookinfo サンプルアプリケーションで mTLS For productpage サービスを無効にするために、Policy リソースは Red Hat OpenShift Service Mesh v1.1 に対して以下の方法で設定されました。

Policy リソースの例

apiVersion: authentication.istio.io/v1alpha1
kind: Policy
metadata:
  name: productpage-mTLS-disable
  namespace: <namespace>
spec:
  targets:
  - name: productpage

bookinfo サンプルアプリケーションで mTLS For productpage サービスを無効にするために、以下の例を使用して Red Hat OpenShift Service Mesh v2.0 の PeerAuthentication リソースを設定します。

PeerAuthentication リソースの例

apiVersion: security.istio.io/v1beta1
kind: PeerAuthentication
metadata:
  name: productpage-mTLS-disable
  namespace: <namespace>
spec:
  mtls:
    mode: DISABLE
  selector:
    matchLabels:
      # this should match the selector for the "productpage" service
      app: productpage

bookinfo サンプルアプリケーションで productpage サービスについて mTLS With JWT 認証を有効にするために、Policy リソースが Red Hat OpenShift Service Mesh v1.1 に対して設定されました。

Policy リソースの例

apiVersion: authentication.istio.io/v1alpha1
kind: Policy
metadata:
  name: productpage-mTLS-with-JWT
  namespace: <namespace>
spec:
  targets:
  - name: productpage
    ports:
    - number: 9000
  peers:
  - mtls:
  origins:
  - jwt:
      issuer: "https://securetoken.google.com"
      audiences:
      - "productpage"
      jwksUri: "https://www.googleapis.com/oauth2/v1/certs"
      jwtHeaders:
      - "x-goog-iap-jwt-assertion"
      triggerRules:
      - excludedPaths:
        - exact: /health_check
  principalBinding: USE_ORIGIN

bookinfo サンプルアプリケーションの productpage サービスの mTLS With JWT 認証を有効にするために、以下の例を使用して Red Hat OpenShift Service Mesh v2.0 の PeerAuthentication リソースを設定します。

PeerAuthentication リソースの例

#require mtls for productpage:9000
apiVersion: security.istio.io/v1beta1
kind: PeerAuthentication
metadata:
  name: productpage-mTLS-with-JWT
  namespace: <namespace>
spec:
  selector:
    matchLabels:
      # this should match the selector for the "productpage" service
      app: productpage
  portLevelMtls:
    9000:
      mode: STRICT
---
#JWT authentication for productpage
apiVersion: security.istio.io/v1beta1
kind: RequestAuthentication
metadata:
  name: productpage-mTLS-with-JWT
  namespace: <namespace>
spec:
  selector:
    matchLabels:
      # this should match the selector for the "productpage" service
      app: productpage
  jwtRules:
  - issuer: "https://securetoken.google.com"
    audiences:
    - "productpage"
    jwksUri: "https://www.googleapis.com/oauth2/v1/certs"
    fromHeaders:
    - name: "x-goog-iap-jwt-assertion"
---
#Require JWT token to access product page service from
#any client to all paths except /health_check
apiVersion: security.istio.io/v1beta1
kind: AuthorizationPolicy
metadata:
  name: productpage-mTLS-with-JWT
  namespace: <namespace>
spec:
  action: ALLOW
  selector:
    matchLabels:
      # this should match the selector for the "productpage" service
      app: productpage
  rules:
  - to: # require JWT token to access all other paths
      - operation:
          notPaths:
          - /health_check
    from:
      - source:
          # if using principalBinding: USE_PEER in the Policy,
          # then use principals, e.g.
          # principals:
          # - “*”
          requestPrincipals:
          - “*”
  - to: # no JWT token required to access health_check
      - operation:
          paths:
          - /health_check

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