検索

5.4.2. Overlay と Overlay2 のグラフドライバーの比較

download PDF

OverlayFS は、ユニオンファイルシステムのタイプです。これにより、あるファイルシステムを別のファイルシステムに重ねる (オーバーレイする) ことができます。上位のファイルシステムで変更が記録されても、下位のファイルシステムは変更されません。これにより、ベースイメージが読み取り専用メディアにあるコンテナーや DVD-ROM などのファイルシステムイメージを、複数のユーザーが共有できるようになります。

OverlayFS は、単一の Linux ホストで 2 つのディレクトリーに階層化し、それらを 1 つのディレクトリーとして表示します。これらのディレクトリーは階層と呼ばれ、統合プロセスはユニオンプロセスと呼ばれます。

OverlayFS は、2 つのグラフドライバー overlay または overlay2 のいずれかを使用します。Red Hat Enterprise Linux 7.2 の時点では、overlay グラフドライバーがサポートされるようになりました。Red Hat Enterprise Linux 7.4 時点で、overlay2 がサポートされるようになりました。Docker デーモン上の SELinux は、Red Hat Enterprise Linux 7.4 でサポートされるようになりました。サポート内容やご利用のヒントなど、お使いの RHEL バージョンでの OverlayFS の使用に関する情報は、Red Hat Enterprise Linux リリースノート を参照してください。

overlay2 ドライバーは、最大 128 個の 下層にある OverlayFS 階層をネイティブでサポートしますが、overlay ドライバーは下層の OverlayFS 階層 1 つでしか機能しません。この機能が原因で、overlay2 ドライバーの方が、docker build などの階層関連の Docker コマンドのパフォーマンスが優れており、サポートするファイルシステムで使用する inode が少なくなります。

overlay ドライバーは、下層にある単一の OverlayFS 階層で機能するので、複数の OverlayFS 階層として複数階層のイメージを実装できません。代わりに、各イメージ階層は、/var/lib/docker/overlay の配下に独自のディレクトリーとして実装されます。下層にある階層と共有されるデータを参照する場合には、スペース効率が配慮された方法としてハードリンクが使用されます。

Docker は inode の使用において効率が良いので、overlay ドライバーではなく、OverlayFS のある overlay2 ドライバーを使用することが推奨されています

Red Hat logoGithubRedditYoutubeTwitter

詳細情報

試用、購入および販売

コミュニティー

Red Hat ドキュメントについて

Red Hat をお使いのお客様が、信頼できるコンテンツが含まれている製品やサービスを活用することで、イノベーションを行い、目標を達成できるようにします。

多様性を受け入れるオープンソースの強化

Red Hat では、コード、ドキュメント、Web プロパティーにおける配慮に欠ける用語の置き換えに取り組んでいます。このような変更は、段階的に実施される予定です。詳細情報: Red Hat ブログ.

会社概要

Red Hat は、企業がコアとなるデータセンターからネットワークエッジに至るまで、各種プラットフォームや環境全体で作業を簡素化できるように、強化されたソリューションを提供しています。

© 2024 Red Hat, Inc.