4.3. etcd のスケーリング
etcd クラスターは、リソースを etcd ホストに追加して垂直的に拡張することも、etcd ホストを追加して水平的に拡張することもできます。
etcd が使用する投票システムのために、クラスターには常に奇数のメンバーが含まれている必要があります。
奇数の etcd ホストを含むクラスターの場合、フォールトトレランスに対応できます。奇数の etcd ホストがあることで、クォーラム (定足数) に必要な数が変わることはありませんが、障害発生時の耐性が高まります。たとえば、クラスターが 3 メンバーで設定される場合、クォーラム (定足数) は 2 で、1 メンバーが障害耐性用になります。これにより、クラスターはメンバーの 2 つが正常である限り、機能し続けます。
3 つの etcd ホストで設定される実稼働クラスターの使用が推奨されます。
新規ホストには、新規の Red Hat Enterprise Linux version 7 専用ホストが必要です。etcd ストレージは最大のパフォーマンスを達成できるように SSD ディスクおよび /var/lib/etcd
でマウントされる専用ディスクに置かれる必要があります。
前提条件
- 新規 etcd ホストを追加する前に、etcd 設定およびデータのバックアップ を行ってデータの損失を防ぎます。
新規ホストが正常でないクラスターに追加されないように、現在の etcd クラスターステータスを確認します。以下のコマンドを実行します。
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow scaleup
Playbook を実行する前に、新規ホストが適切な Red Hat ソフトウェアチャンネルに登録されていることを確認します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow etcd は
rhel-7-server-extras-rpms
ソフトウェアチャンネルでホストされています。すべての未使用の etcd メンバーが etcd クラスターから削除されていることを確認します。これは、
scaleup
Playbook を実行する前に完了する必要があります。etcd メンバーを一覧表示します。
etcdctl --cert="/etc/etcd/peer.crt" --key="/etc/etcd/peer.key" \ --cacert="/etc/etcd/ca.crt" --endpoints=ETCD_LISTEN_CLIENT_URLS member list -w table
# etcdctl --cert="/etc/etcd/peer.crt" --key="/etc/etcd/peer.key" \ --cacert="/etc/etcd/ca.crt" --endpoints=ETCD_LISTEN_CLIENT_URLS member list -w table
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 該当する場合は、未使用の etcd メンバー ID をコピーします。
以下のコマンドで ID を指定して、未使用のメンバーを削除します。
etcdctl --cert="/etc/etcd/peer.crt" --key="/etc/etcd/peer.key" \ --cacert="/etc/etcd/ca.crt" --endpoints=ETCD_LISTEN_CLIENT_URL member remove UNUSED_ETCD_MEMBER_ID
# etcdctl --cert="/etc/etcd/peer.crt" --key="/etc/etcd/peer.key" \ --cacert="/etc/etcd/ca.crt" --endpoints=ETCD_LISTEN_CLIENT_URL member remove UNUSED_ETCD_MEMBER_ID
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow
現在の etcd ノードで etcd および iptables をアップグレードします。
yum update etcd iptables-services
# yum update etcd iptables-services
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow - etcd ホストの /etc/etcd 設定をバックアップします。
- 新規 etcd メンバーが OpenShift Container Platform ノードでもある場合は、必要な数のホストをクラスターに追加 します。
- この手順の残りでは 1 つのホストを追加していることを前提としていますが、複数のホストを追加する場合は、各ホストですべての手順を実行します。
4.3.1. Ansible を使用した新規 etcd ホストの追加 リンクのコピーリンクがクリップボードにコピーされました!
手順
Ansible インベントリーファイルで、
[new_etcd]
という名前の新規グループおよび新規ホストを作成します。次に、new_etcd
グループを[OSEv3]
グループの子として追加します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow 注記インベントリーファイル内の古い
etcd host
エントリーを新しいetcd host
エントリーに置き換えます。古いetcd host
を置き換えるときに、/etc/etcd/ca/
ディレクトリーのコピーを作成する必要があります。または、etcd hosts
をスケールアップする前に、etcd ca と証明書を再デプロイすることもできます。OpenShift Container Platform をインストールし、Ansible インベントリーファイルをホストするホストから、Playbook ディレクトリーに移動し、etcd
scaleup
Playbook を実行します。cd /usr/share/ansible/openshift-ansible ansible-playbook playbooks/openshift-etcd/scaleup.yml
$ cd /usr/share/ansible/openshift-ansible $ ansible-playbook playbooks/openshift-etcd/scaleup.yml
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Playbook が実行された後に、新規 etcd ホストを
[new_etcd]
グループから[etcd]
グループに移行し、現在のステータスを反映するようにインベントリーファイルを変更します。Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow Flannel を使用する場合には、OpenShift Container Platform のホストごとに、
/etc/sysconfig/flanneld
にあるflanneld
サービス設定を変更し、新しい etcd ホストを追加します。FLANNEL_ETCD_ENDPOINTS=https://master-0.example.com:2379,https://master-1.example.com:2379,https://master-2.example.com:2379,https://etcd0.example.com:2379
FLANNEL_ETCD_ENDPOINTS=https://master-0.example.com:2379,https://master-1.example.com:2379,https://master-2.example.com:2379,https://etcd0.example.com:2379
Copy to Clipboard Copied! Toggle word wrap Toggle overflow flanneld
サービスを再起動します。systemctl restart flanneld.service
# systemctl restart flanneld.service
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