4.21. クラスターロギングの設定
クラスターロギングは、デフォルトで自動的にデプロイされるように設定されていません。クラスターインストール時にクラスターロギングを有効にするには、以下を設定します。
[OSEv3:vars] openshift_logging_install_logging=true
クラスターロギングのインストール時に、ノードセレクターも指定する必要があります (例: openshift_logging_es_nodeselector={"node-role.kubernetes.io/infra": "true"})
。
利用可能なクラスターロギング変数についての詳細は、ロギング Ansible 変数の指定 を参照してください。
4.21.1. ロギングストレージの設定
ロギングに永続ストレージを使用するには、openshift_logging_es_pvc_dynamic
変数を設定する必要があります。openshift_logging_es_pvc_dynamic
が設定されていない場合、クラスターのロギングデータは emptyDir
ボリュームに保存されます。 このボリュームは、Elasticsearch Pod が終了すると削除されます。
テストにより、RHEL NFS サーバーをコンテナーイメージレジストリーのストレージバックエンドとして使用することに関する問題が検出されています。これには、ロギングストレージの ElasticSearch が含まれます。そのため、コアサービスで使用される PV をサポートするために RHEL NFS サーバーを使用することは推奨されていません。
ElasticSearch はカスタム deletionPolicy を実装しないため、NFS ストレージをボリュームまたは永続ボリュームとして使用することは Elasticsearch ストレージではサポートされていません。Lucene が NFS が指定しないファイルシステムの動作に依存するためです。 データの破損およびその他の問題が発生する可能性があります。
他の NFS の実装ではこれらの問題が検出されない可能性があります。OpenShift コアコンポーネントに対して実施された可能性のあるテストに関する詳細情報は、個別の NFS 実装ベンダーにお問い合わせください。
クラスターインストール時にクラスターロギングストレージを有効にするには、次の 3 つのオプションを選択できます。
オプション A: 動的
OpenShift Container Platform 環境に動的ボリュームプロビジョニングがある場合、クラウドプロバイダー経由か、または独立したストレージプロバイダーによって設定されている可能性があります。たとえば、クラウドプロバイダーには GCE にプロビジョナー kubernetes.io/gce-pd
が指定された StorageClass があり、GlusterFS などの独立したストレージプロバイダーには、プロビジョナー kubernetes.io/glusterfs
が指定された StorageClass
がある可能性があります。いずれの場合も、以下の変数を使用します。
[OSEv3:vars] openshift_logging_es_pvc_dynamic=true
動的プロビジョニングについての詳細は、動的プロビジョニングとストレージクラスの作成 を参照してください。
gluster-storage および glusterfs-storage-block などのデフォルトで動的にプロビジョニングされたボリュームタイプが複数ある場合、変数でプロビジョニングされたボリュームタイプを指定できます。以下の変数を使用します。
[OSEv3:vars] openshift_logging_elasticsearch_storage_type=pvc openshift_logging_es_pvc_storage_class_name=glusterfs-storage-block
動的プロビジョニングを有効または無効にするために DynamicProvisioningEnabled を使用する方法についての詳細は、Volume Configuration
を参照してください。
オプション B: NFS ホストグループ
次の変数が設定されている場合、NFS ボリュームはクラスターインストール時に [nfs]
ホストグループ内のホストのパス <nfs_directory>/<volume_name> に作成されます。たとえば、以下のオプションを使用した場合、ボリュームパスは /exports/logging になります。
[OSEv3:vars] # nfs_directory must conform to DNS-1123 subdomain must consist of lower case # alphanumeric characters, '-' or '.', and must start and end with an alphanumeric character openshift_logging_storage_kind=nfs openshift_logging_storage_access_modes=['ReadWriteOnce'] openshift_logging_storage_nfs_directory=/exports 1 openshift_logging_storage_nfs_options='*(rw,root_squash)' 2 openshift_logging_storage_volume_name=logging 3 openshift_logging_storage_volume_size=10Gi openshift_enable_unsupported_configurations=true openshift_logging_elasticsearch_storage_type=pvc openshift_logging_es_pvc_size=10Gi openshift_logging_es_pvc_storage_class_name='' openshift_logging_es_pvc_dynamic=true openshift_logging_es_pvc_prefix=logging
オプション C: 外部 NFS ホスト
外部 NFS ボリュームを使用するには、該当する NFS ボリュームがストレージホストの <nfs_directory>/<volume_name> パスにすでに存在している必要があります。
[OSEv3:vars] # nfs_directory must conform to DNS-1123 subdomain must consist of lower case # alphanumeric characters, '-' or '.', and must start and end with an alphanumeric character openshift_logging_storage_kind=nfs openshift_logging_storage_access_modes=['ReadWriteOnce'] openshift_logging_storage_host=nfs.example.com 1 openshift_logging_storage_nfs_directory=/exports 2 openshift_logging_storage_volume_name=logging 3 openshift_logging_storage_volume_size=10Gi openshift_enable_unsupported_configurations=true openshift_logging_elasticsearch_storage_type=pvc openshift_logging_es_pvc_size=10Gi openshift_logging_es_pvc_storage_class_name='' openshift_logging_es_pvc_dynamic=true openshift_logging_es_pvc_prefix=logging
以下のオプションを使用した場合、リモートボリュームのパスは nfs.example.com:/exports/logging になります。
NFS を使用した OpenShift Container Platform のアップグレードまたはインストール
コアの OpenShift Container Platform コンポーネントでの NFS の使用は推奨されていません。 NFS (および NFS プロトコル) を使用すると、OpenShift Container Platform インフラストラクチャーを設定するアプリケーションに必要な適切な整合性が確保されなくなるためです。
そのため、インストーラーおよび更新 Playbook には、コアインフラストラクチャーコンポーネントで NFS の使用を有効にするオプションが必要になります。
# Enable unsupported configurations, things that will yield a partially # functioning cluster but would not be supported for production use #openshift_enable_unsupported_configurations=false
クラスターのアップグレードまたはインストール時に以下のメッセージが表示される場合、追加の手順が必要になります。
TASK [Run variable sanity checks] ********************************************** fatal: [host.example.com]: FAILED! => {"failed": true, "msg": "last_checked_host: host.example.com, last_checked_var: openshift_hosted_registry_storage_kind;nfs is an unsupported type for openshift_hosted_registry_storage_kind. openshift_enable_unsupported_configurations=True mustbe specified to continue with this configuration."}
Ansible インベントリーファイルで、以下のパラメーターを指定します。
[OSEv3:vars] openshift_enable_unsupported_configurations=True