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2.9.2. イメージに埋め込まれたスクリプトの呼び出し

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通常、ビルダーイメージは、最も一般的なユースケースを含む、独自のバージョンの S2I スクリプトを提供します。これらのスクリプトで各自のニーズが満たされない場合、S2I は、.s2i/bin ディレクトリーにカスタムのスクリプトを追加して上書する方法を提供します。ただし、カスタムのスクリプトを追加すると、標準のスクリプトを完全に置き換えてしまいます。スクリプトの置き換えは許容できる場合もありますが、場合によっては、イメージに含まれるスクリプトのロジックを保持しつつ、スクリプトの前後にコマンドをいくつか実行することをお勧めします。このような場合には、カスタムロジックを実行し、イメージ内のデフォルトのスクリプトに追加の作業を委任するラッパースクリプトを作成することができます。

ビルダーイメージ内のスクリプトの場所を判別するには、io.openshift.s2i.scripts-url ラベルの値を確認します。以下のように docker inspect を使用します。

$ docker inspect --format='{{ index .Config.Labels "io.openshift.s2i.scripts-url" }}' openshift/wildfly-100-centos7
image:///usr/libexec/s2i

openshift/wildfly-100-centos7 ビルダーイメージを検査し、スクリプトが /usr/libexec/s2i ディレクトリーにあることを確認できます。

これに基づいて、呼び出しをラップして、独自のスクリプトからこれらのスクリプトを呼び出します。

例2.1 .s2i/bin/assemble スクリプト

#!/bin/bash
echo "Before assembling"

/usr/libexec/s2i/assemble
rc=$?

if [ $rc -eq 0 ]; then
    echo "After successful assembling"
else
    echo "After failed assembling"
fi

exit $rc

以下の例では、メッセージを出力するカスタムの assemble スクリプトを表示し、イメージから標準の assemble スクリプトを実行して、assemble スクリプトの終了コードに応じて別のメッセージを出力します。

run スクリプトをラップする場合は、スクリプトの呼び出しに exec を実行して、シグナルが正しく処理されるようにする必要があります。残念ながら、exec を使用すると、デフォルトのイメージ run スクリプトを呼び出した後に、追加でコマンドを実行できなくなります。

例2.2 .s2i/bin/run スクリプト

#!/bin/bash
echo "Before running application"
exec /usr/libexec/s2i/run
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