16.4. マスターでの Pod ネットワークの設定
クラスター管理者は、マスター設定ファイル (デフォルトの場所は /etc/origin/master/master-config.yaml) の networkConfig
セクションにあるパラメーターを変更することで、マスターホスト上で Pod ネットワーク設定を管理できます。
単一 CIDR の Pod ネットワーク設定
networkConfig: clusterNetworks: - cidr: 10.128.0.0/14 1 hostSubnetLength: 9 2 networkPluginName: "redhat/openshift-ovs-subnet" 3 serviceNetworkCIDR: 172.30.0.0/16 4
また、複数の CIDR 範囲を持つ Pod ネットワークを作成することもできます。 これは、個別の範囲をその範囲と hostSubnetLength
を指定した clusterNetworks
フィールドに追加して実行できます。
複数の範囲は同時に使用することができ、この範囲は拡張または縮小することが可能です。ノードは、ノードの退避、削除および再作成によってある範囲から別の範囲に移動できます。詳細は、ノードの管理 セクションを参照してください。ノードの割り当ては一覧の順序で行われ、範囲が一杯になると一覧の次の項目に移行します。
複数 CIDR の Pod ネットワークの設定
networkConfig: clusterNetworks: - cidr: 10.128.0.0/14 1 hostSubnetLength: 9 2 - cidr: 10.132.0.0/14 hostSubnetLength: 9 externalIPNetworkCIDRs: null hostSubnetLength: 9 ingressIPNetworkCIDR: 172.29.0.0/16 networkPluginName: redhat/openshift-ovs-multitenant 3 serviceNetworkCIDR: 172.30.0.0/16
clusterNetworks
の値に要素を追加するか、またはノードがその CIDR 範囲を使用していない場合はそれを削除することができます。
hostSubnetLength
の値は、クラスターの初回作成後に変更することができません。cidr
は、ノードが範囲内に割り当てられている場合に最初のネットワークが含まれるより大きいネットワークにのみ変更することができ、serviceNetworkCIDR
のみを拡張できます。たとえば、値が一般的な 10.128.0.0/14 の場合、cidr
を 10.128.0.0/9 (上半分の net 10 を参照) に変更することは可能ですが、10.64.0.0/16 には元の値と重複しないために変更することができません。
serviceNetworkCIDR
は 172.30.0.0/16 から 172.30.0.0/15 に変更できますが、172.28.0.0/14 に変更できません。詳細は、サービスネットワークの拡張 を参照してください。
API およびマスターサービスを再起動して変更を有効にしてください。
$ master-restart api $ master-restart controllers
マスターサービスを再起動したら、設定をノードに伝播する必要があります。各ノードで atomic-openshift-node サービスおよび ovs Pod を再起動する必要があります。ダウンタイムを回避するには、ノードの管理 に定義されている手順と、ノードまたはノードのグループについてそれぞれ以下の方法に記載されている手順を実行します。
ノードにスケジュール対象外 (unschedulable) のマークを付けます。
# oc adm manage-node <node1> <node2> --schedulable=false
ノードをドレイン (解放) します。
# oc adm drain <node1> <node2>
ノードを再起動します。
# reboot
ノードを再度スケジュール対象としてマークします。
# oc adm manage-node <node1> <node2> --schedulable