2.3.5. シナリオおよび実例
Docker、Kubernetes および OpenShift Container Platform のエコシステムにより導入された新規アプリケーションアーティファクトのコンポーネントを定義した上に、このセクションでは OpenShift Container Platform によって提供される方法およびツールを使用してこれらのコンポーネントを環境間でプロモートする方法を説明します。
アプリケーションを設定するコンポーネントにおいて、イメージは主要なアーティファクトです。これを前提とし、かつアプリケーションのプロモーションに当てはめると、中心的なアプリケーションのプロモーションパターンとなるのがイメージのプロモーションであり、この場合にイメージが作業単位となります。ほとんどのアプリケーションプロモーションシナリオでは、プロモーションパイプラインを使用したイメージの管理および伝搬が行われます。
単純なシナリオでは、パイプラインを使用したイメージの管理および伝搬のみを扱います。プロモーションシナリオの対象範囲が広がるにつれ、API オブジェクトを筆頭とする他のアプリケーションアーティファクトがパイプラインで管理および伝搬されるアイテムのインベントリーに含まれます。
このトピックでは、手動および自動の両方のアプローチを使用して、イメージおよび API オブジェクトのプロモートに関する特定の実例をいくつか紹介します。最初にアプリケーションのプロモーションパイプラインの環境のセットアップに関して、以下の点に留意してください。
2.3.5.1. プロモーションのセットアップ
アプリケーションの初期リビジョンの開発が完了すると、次の手順として、プロモーションパイプラインのステージング環境に移行できるようにアプリケーションのコンテンツをパッケージ化します。
最初に、表示されるすべての API オブジェクトを移行可能なものとしてグループ化し、共通の
label
を適用します。labels: promotion-group: <application_name>
前述のように
oc label
コマンドは、さまざまな API オブジェクトのラベルの管理を容易にします。ヒントOpenShift Container Platform テンプレートに API オブジェクトを最初に定義する場合、プロモート用にエクスポートする際にクエリーに使用する共通のラベルがすべての関連するオブジェクトにあることを簡単に確認できます。
このラベルは後続のクエリーで使用できます。たとえば、アプリケーションの API オブジェクトの移行を行う以下の
oc
コマンドセットの呼び出しについて検討しましょう。$ oc login <source_environment> $ oc project <source_project> $ oc get -o yaml --export dc,is,svc,route,secret,sa -l promotion-group=<application_name> > export.yaml $ oc login <target_environment> $ oc new-project <target_project> 1 $ oc create -f export.yaml
- 1
- または、すでに存在している場合は
oc project <target_project>
を実行します。
注記oc get --export
コマンドでは、イメージストリーム用にis
タイプを含めるかどうかは、パイプライン内の異なる環境全体でイメージ、イメージストリーム、およびレジストリーの管理方法をどのように選択するかによって変わってきます。この点に関する注意事項を以下で説明しています。イメージの管理 のトピックも参照してください。プロモーションパイプラインの各種のステージング環境で使用されるそれぞれのレジストリーに対して機能するトークンを取得する必要があります。各環境について以下を実行します。
環境にログインします。
$ oc login <each_environment_with_a_unique_registry>
以下を実行してアクセストークンを取得します。
$ oc whoami -t
- 次回に使用できるようにトークン値をコピーアンドペーストします。