28.11.2. シナリオ 1: 2 種類の StorageClass を持つ基本的な動的プロビジョニング


StorageClass を使用すると、ストレージのレベルや使用状況を区別し、記述することができます。この例では、cluster-admin または storage-admin が GCE で 2 つの異なるストレージのクラスを設定します。

  • slow: 低コストで効率的なシーケンシャルデータの操作に最適化されている (低速読み取り/書き込み)
  • fast: 高速なランダム IOPS と持続的スループットに最適化されている (高速読み取り/書き込み)

これらの StorageClass を作成することで、cluster-admin または storage-admin はユーザーに対して、StorageClass の特定のレベルまたはサービスについての要求の作成を許可することができます。

例28.16 StorageClass 低速オブジェクトの定義

kind: StorageClass
apiVersion: storage.k8s.io/v1
metadata:
  name: slow 1
provisioner: kubernetes.io/gce-pd 2
parameters:
  type: pd-standard 3
  zone: us-east1-d  4
1
StorageClass の名前。
2
使用するプロビジョナープラグイン。StorageClass の必須フィールドです。
3
PD のタイプ。この例では pd-standard を使用しています。 このタイプは、持続的 IOPS とスループットが高い pd-ssd と比べていくらかコストを下げられる一方、持続的 IOPS の速度やスループットもわずかに低下します。
4
ゾーンは必須です。

例28.17 StorageClass 高速オブジェクトの定義

kind: StorageClass
apiVersion: storage.k8s.io/v1
metadata:
  name: fast
provisioner: kubernetes.io/gce-pd
parameters:
  type: pd-ssd
  zone: us-east1-d

cluster-admin または storage-admin として、両方の定義を YAML ファイルに保存します。例: slow-gce.yaml および fast-gce.yaml。次に StorageClass を作成します。

# oc create -f slow-gce.yaml
storageclass "slow" created

# oc create -f fast-gce.yaml
storageclass "fast" created

# oc get storageclass
NAME       TYPE
fast       kubernetes.io/gce-pd
slow       kubernetes.io/gce-pd
重要

cluster-admin ユーザーまたは storage-admin ユーザーは、適切な StorageClass 名を適切なユーザー、グループ、およびプロジェクトに送る必要があります。

通常ユーザーとして、以下のように新規プロジェクトを作成します。

# oc new-project rh-eng

要求の YAML 定義を作成し、これをファイル (pvc-fast.yaml) に保存します。

apiVersion: v1
kind: PersistentVolumeClaim
metadata:
 name: pvc-engineering
spec:
 accessModes:
  - ReadWriteMany
 resources:
   requests:
     storage: 10Gi
 storageClassName: fast

oc create コマンドを使用して要求を追加します。

# oc create -f pvc-fast.yaml
persistentvolumeclaim "pvc-engineering" created

要求がバインドされているかどうかをチェックします。

# oc get pvc
NAME              STATUS    VOLUME                                     CAPACITY   ACCESSMODES   AGE
pvc-engineering   Bound     pvc-e9b4fef7-8bf7-11e6-9962-42010af00004   10Gi       RWX           2m
重要

この要求は rh-eng プロジェクトで作成され、バインドされているため、同じプロジェクトのいずれのユーザーにも共有できます。

cluster-admin ユーザーまたは storage-admin ユーザーとして、最近動的にプロビジョニングした永続ボリューム (PV) を表示します。

# oc get pv
NAME                                       CAPACITY   ACCESSMODES   RECLAIMPOLICY   STATUS    CLAIM                     REASON    AGE
pvc-e9b4fef7-8bf7-11e6-9962-42010af00004   10Gi       RWX           Delete          Bound     rh-eng/pvc-engineering              5m
重要

動的にプロビジョニングされたすべてのボリュームについて、RECLAIMPOLICY がデフォルトで Delete になっていることに注意してください。これは、ボリュームが要求がシステムに存在している間存続することを意味します。要求を削除するとボリュームも削除され、ボリュームのすべてのデータが失われます。

最後に GCE コンソールをチェックします。新規のディスクが作成され、使用できる状態になります。

kubernetes-dynamic-pvc-e9b4fef7-8bf7-11e6-9962-42010af00004 	SSD persistent disk 	10 GB 	us-east1-d

これで、Pod で Persistent Volume Claim (永続ボリューム要求) を参照し、ボリュームの使用を開始することができます。

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