3.4.2. PROXY プロトコルを使用する理由
プロキシーサーバーやロードバランサーなどの中間サービスが HTTP 要求を転送する際に、これは接続のソースアドレスを要求の Forwarded ヘッダーに追加して、この情報を後続の中間サービスと、要求が最終的に転送されるバックエンドサービスに提供できます。ただし、接続が暗号化されている場合、中間サービスは Forwarded ヘッダーを変更できません。この場合、要求が転送されても HTTP ヘッダーは元のソースアドレスを正確に通信することができません。
この問題を解決するために、一部のロードバランサーは、単純に HTTP を転送する代替手段として PROXY プロトコルを使用して HTTP 要求をカプセル化します。カプセル化によって、ロードバランサーは転送される要求自体を変更することなく、情報を要求に追加することができます。これにより、ロードバランサーは、暗号化された接続を転送する場合でもソースアドレスを通信できます。
HAProxy ルーターが PROXY プロトコルを受け入れ、HTTP 要求のカプセル化を解除するように設定できます。ルーターは edge および re-encrypt ルートの暗号化を終了するので、ルーターは要求の ForwardedHTTP ヘッダー (および関連する HTTP ヘッダー) を更新でき、PROXY プロトコルを使用して通信されるソースアドレスを追加できます。
PROXY プロトコルと HTTP は互換性がなく、組み合わせることはできません。ルーターの前にロードバランサーを使用する場合、これらがどちらも PROXY プロトコルまたは HTTP のいずれかを使用する必要があります。一方を PROXY プロトコルを使用するように設定し、他方を HTTP を使用するように設定すると、ルーティングが失敗します。