3.2.20. コンテナーネットワークスタックの使用
OpenShift Container Platform ルーターはコンテナー内で実行され、デフォルトの動作として、ホスト (例: ルーターコンテナーが実行されるノードなど) のネットワークスタックを使用します。このデフォルトの動作には、リモートクライアントからのネットワークトラフィックがターゲットサービスとコンテナーに到達するためにユーザー空間で複数のホップを使用する必要がないので、パフォーマンス上のメリットがあります。
さらに、このデフォルト動作によってルーターはノードの IP アドレスではなくリモート接続の実際のソース IP アドレスを取得できます。これは、発信元の IP に基づいて ingress ルールを定義し、スティッキーセッションをサポートし、他に使用されているものの中でトラフィックを監視するのに役立ちます。
このホストネットワークの動作は --host-network
ルーターコマンドラインオプションによって制御でき、デフォルトの動作は --host-network=true
を使用した場合と等しくなります。コンテナーネットワークスタックを使用してルーターを実行する場合は、ルーターを作成する際に --host-network=false
オプションを使用します。以下に例を示します。
$ oc adm router --service-account=router --host-network=false
内部的には、これは外部ネットワークがルーターと通信するために、ルーターコンテナーが 80 と 443 ポートを公開する必要があることを意味します。
コンテナーネットワークスタックを使用して実行することで、ルーターは接続のソース IP アドレスを実際のリモート IP アドレスではなくノードの NAT された IP アドレスとして扱うことを意味します。
マルチテナントネットワークの分離 を使用する OpenShift Container Platform クラスターでは、--host-network=false
オプションを指定したデフォルト以外の namespace のルーターはクラスターのすべてのルートを読み込みますが、ネットワークの分離により複数の namespace にあるルートには到達できません。--host-network=true
オプションを指定すると、ルートはコンテナーネットワークをバイパスし、クラスターの任意の Pod にアクセスできます。この場合、分離が必要な場合は、複数の namespace のルートを追加しないでください。