14.6. ネスト化されたメンバーシップ同期の例
OpenShift Container Platform の Group はネスト化しません。LDAP サーバーはデータが使用される前にグループメンバーシップを平坦化する必要があります。Microsoft の Active Directory Server は、LDAP_MATCHING_RULE_IN_CHAIN
ルールによりこの機能をサポートしており、これには OID 1.2.840.113556.1.4.1941
が設定されています。さらに、このマッチングルールを使用すると、明示的に ホワイトリスト化された グループのみをを同期できます。
このセクションでは、拡張された Active Directory スキーマの例を取り上げ、1 名のユーザー Jane
と 1 つのグループ otheradmins
をメンバーとして持つ admins
というグループを同期します。otheradmins
グループには 1 名のユーザーメンバー Jim
が含まれます。この例では以下のことを説明しています。
- グループとユーザーが LDAP サーバーに追加される方法。
- LDAP 同期設定ファイルの概観。
- 同期後に生成される OpenShift Container Platform の Group レコード。
拡張された Active Directory スキーマでは、ユーザー (Jane
と Jim
) とグループの両方がファーストクラスエントリーとして LDAP サーバーに存在し、グループメンバーシップはユーザーまたはグループの属性に保存されます。以下の ldif
のスニペットはこのスキーマのユーザーとグループを定義します。
ネスト化されたメンバーを持つ拡張された Active Directory スキーマを使用する LDAP エントリー: augmented_active_directory_nested.ldif
dn: ou=users,dc=example,dc=com objectClass: organizationalUnit ou: users dn: cn=Jane,ou=users,dc=example,dc=com objectClass: person objectClass: organizationalPerson objectClass: inetOrgPerson objectClass: testPerson cn: Jane sn: Smith displayName: Jane Smith mail: jane.smith@example.com memberOf: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com 1 dn: cn=Jim,ou=users,dc=example,dc=com objectClass: person objectClass: organizationalPerson objectClass: inetOrgPerson objectClass: testPerson cn: Jim sn: Adams displayName: Jim Adams mail: jim.adams@example.com memberOf: cn=otheradmins,ou=groups,dc=example,dc=com 2 dn: ou=groups,dc=example,dc=com objectClass: organizationalUnit ou: groups dn: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com 3 objectClass: group cn: admins owner: cn=admin,dc=example,dc=com description: System Administrators member: cn=Jane,ou=users,dc=example,dc=com member: cn=otheradmins,ou=groups,dc=example,dc=com dn: cn=otheradmins,ou=groups,dc=example,dc=com 4 objectClass: group cn: otheradmins owner: cn=admin,dc=example,dc=com description: Other System Administrators memberOf: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com 5 6 member: cn=Jim,ou=users,dc=example,dc=com
Active Directory を使用してネスト化されたグループを同期するには、ユーザーエントリーとグループエントリーの両方の LDAP クエリー定義と内部 OpenShift Container Platform Group レコードでそれらを表すのに使用する属性を指定する必要があります。さらに、この設定では特定の変更が必要となります。
-
oc adm groups sync
コマンドはグループを明示的に ホワイトリスト化 する必要があります。 -
ユーザーの
groupMembershipAttributes
には"memberOf:1.2.840.113556.1.4.1941:"
を含め、LDAP_MATCHING_RULE_IN_CHAIN
ルールに従う必要があります。 -
groupUIDAttribute
はdn
に設定される必要があります。 groupsQuery
:-
filter
を設定しないでください。 -
有効な
derefAliases
を設定する必要があります。 -
baseDN
を設定しないでください。 この値は無視されます。 -
scope
を設定しないでください。 この値は無視されます。
-
明確にするために、OpenShift Container Platform で作成するグループは (可能な場合) ユーザーまたは管理者に表示されるフィールドに識別名以外の属性を使用する必要があります。たとえば、メールによって OpenShift Container Platform Group のユーザーを識別し、一般名としてグループの名前を使用します。以下の設定ファイルでは、このような関係を作成しています。
ネスト化されたメンバーを持つ拡張された Active Directory スキーマを使用する LDAP 同期設定です。 augmented_active_directory_config_nested.yaml
kind: LDAPSyncConfig apiVersion: v1 url: ldap://LDAP_SERVICE_IP:389 augmentedActiveDirectory: groupsQuery: 1 derefAliases: never pageSize: 0 groupUIDAttribute: dn 2 groupNameAttributes: [ cn ] 3 usersQuery: baseDN: "ou=users,dc=example,dc=com" scope: sub derefAliases: never filter: (objectclass=inetOrgPerson) pageSize: 0 userNameAttributes: [ uid ] 4 groupMembershipAttributes: [ "memberOf:1.2.840.113556.1.4.1941:" ] 5
- 1
groupsQuery
フィルターは指定できません。groupsQuery
ベース DN およびスコープの値は無視されます。groupsQuery
では有効なderefAliases
を設定する必要があります。- 2
- LDAP サーバーのグループを一意に識別する属性です。
dn
に設定される必要があります。 - 3
- Group の名前として使用する属性です。
- 4
- OpenShift Container Platform Group レコードでユーザー名として使用される属性です。ほとんどのインストールでは、
uid
またはsAMAccountName
を使用することが推奨されます。 - 5
- メンバーシップ情報を保存するユーザーの属性です。
LDAP_MATCHING_RULE_IN_CHAIN
を使用することに注意してください。
augmented_active_directory_config_nested.yaml ファイルを使用して同期するには、以下を実行します。
$ oc adm groups sync \ 'cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com' \ --sync-config=augmented_active_directory_config_nested.yaml \ --confirm
cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com グループを明示的に ホワイトリスト化
する必要があります。
OpenShift Container Platform は、上記の同期操作の結果として以下のグループレコードを作成します。
augmented_active_directory_config_nested.yaml ファイルを使用して作成される OpenShift Group
apiVersion: user.openshift.io/v1 kind: Group metadata: annotations: openshift.io/ldap.sync-time: 2015-10-13T10:08:38-0400 1 openshift.io/ldap.uid: cn=admins,ou=groups,dc=example,dc=com 2 openshift.io/ldap.url: LDAP_SERVER_IP:389 3 creationTimestamp: name: admins 4 users: 5 - jane.smith@example.com - jim.adams@example.com
- 1
- この OpenShift Container Platform Group と LDAP サーバーが最後に同期された時間です。ISO 6801 形式を使用します。
- 2
- LDAP サーバーのグループの固有識別子です。
- 3
- このグループのレコードが保存される LDAP サーバーの IP アドレスとホストです。
- 4
- 同期ファイルが指定するグループ名です。
- 5
- グループのメンバーのユーザーです。同期ファイルで指定される名前が使用されます。グループメンバーシップは Microsoft Active Directory Server によって平坦化されているため、ネスト化されたグループのメンバーが含まれることに注意してください。